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「かわいそうなぞう」 つちやゆきお・文 たけべもといちろう・絵
また泣いてしまう絵本です。
ほんとうにあったかわいそうなぞうの物語。
戦争中、東京の町にはたくさんの爆弾が落とされていました。
その爆弾が動物園に落ちてきたら、おそろしい動物たちが逃げだし、大変なことになってしまいます。
そこで、動物たちは毒をのまされることになりました。
動物園にいた三頭のぞうにもどくをあたえようとしますが、利口なぞうは食べ物に入れられたどくがわかり、それを食べようとはしません。
ちゅうしゃも針が折れて刺すこともできず、しかたなくたべものをあたえずに死なせることにしました。
たべものがあたえられなくなったぞうたち。ただ死を待つ日々。
げいをすれば餌をもらえるのではないかと、げいをみせるぞうたちの姿に、もう係の人たちは黙っていられません。
戦争の悲惨さを動物の命を通して語るこの絵本。
上野動物園にはゾウ舎の近くに動物慰霊碑が建立されているそうです。




