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「黒っていうかピンク混じってるね」「嫌なお花畑だね」

全年齢…だと思います。

ガロン歴 ジミニ―の月 樹の日

 

 帰れ無口・顔だけ・かと思いきややっぱ魔術はすげえ・ムッツリ魔術師。






ガロン歴 ジミニ―の月 銀の日


 言葉覚えたてのハルがとても可愛い。身振り手振りも可愛かったが「水」を「みちゅ」と言ってみたり「好き」が「しゅき」になっていたり。

 中でも「ダメ」の破壊力。あれはなんだ。私を壊す気か。効果は抜群だぞ。

 あのぷるりと瑞々しく美味しそうな唇からこぼれる舌足らずな「らめ」を聞くと腰から体中を電流が走り抜けてゾクゾクする。初めて聞いた時の衝撃は筆舌に尽くしがたい。

 連呼させたいがあまり言わせると何故か薄い夜着を羽織ったハルが頭に浮かんで私の何か色々によろしくないからできない。世は無常だ。

 直した方が良い。分かっている。だが恋の魔力には勝てない。断じてただの欲などではない。

 






ガロン歴 ジミニ―の月 木漏れ日の日


 今日のようにほとんどの者が休みの日でもハルといえば「働く」「ない」「食う」「らめ」と言って仕事を強請ってくる。この時は意識して腰に力を入れないと会話ができないなんてどんな拷問だと思ってしまった。その間にハルはいなくなってしまったが。

 おそらく「働かないと食べてはいけない」と言いたいのだろう。

 「食う」など言葉使いが悪いのはヴェルグの影響か。これはこれで良い。

 だがハルは働きすぎなくらいだ。庭の仕事に館内の掃除、洗濯場で見かけたかと思ったら調理場で皿洗いをしている。

 私を差し置いて皆目で会話しているから言葉の不便はないそうだ。彼女の声に一々反応している己の愚かしさを痛感した。ハルが絡むと我を忘れる。今だ胸の内で燻り続けている黒い炎といい、恋とは幸福感ばかりではないのだな。




ガロン歴 ジミニ―の月 焔の日


 今日は焔の日だったか。俺の胸の内の黒い炎も正に焔のごとく燃え上がっている。

 今日もハルは庭仕事に精を出していた。俺よりも長くエリックの傍にいるのは許しがたい。

 彼女が大切にする仕事の為でなければ許容できるものか。

 そうして彼女が他の男に笑顔を向ける苦しみに耐えているというのに……あの魔術師は俺が見ている事を知っていて、風を起こしあろうことかハルを腕の中に抱き込んでいた。

 色々と仕事を依頼してハルに会えない様にさせても、病気にして帰らせようと食事に病きのこを混ぜても、すり抜けてハルに触れるあの男は本当に厄介だ。エリックも直前によろけた彼女の体を支えてやっていた。不可抗力ではあるのだろう。だがハル。お前に触れていいのは俺だけだろう?

 艶やかな髪もなめらかな肌もきらきらと輝く笑顔も……瞳も声も何もかも全部全部欲しい。

 ハル     ハル     ハル     ハル     ハル     ハル     ハル


 

 

 ああハル。お前を部屋に閉じ込めて鎖で繋いでしまえば俺に繋がれてくれるのか?

ご一読ありがとうございました。本当はもっとエキサイトさせたかったのですがこんな形になりました。ウエサマは思春期まっただ中です。

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