博士とあたし
「たーまやー」
「たーまやー」
「綺麗な花火ですね~、博士」
「ここらで一番大きい花火大会だからな」
「ホントに綺麗な炎色反応!」
「これは花火だよ」
「炎色反応ですよ~~。あ、あたし、あのバリウムの色が好きだな」
「うむ、綺麗だな、緑」
「それからあの銅の色」
「うむ、綺麗だな、青」
「博士~。もっと普通に楽しみましょうよ~」
「君の方こそ、楽しんでるのか?」
「楽しいですよ~。うわぁ、おっきな花火~。直径どのぐらいなんだろ~?」
「君はどこか変わってる」
「そうですか~? あ、博士、大きさ分かります?」
「簡単だ。花火が爆発してから音が聞こえるまで約1秒…。つまり、花火からここまでの距離は約300メートル。そして…」
「腕なんか伸ばしてわかるんですか~?」
「腕を真っ直ぐ伸ばすと、こぶしの一番下から一番上までの角度が、だいたい10度になる。
それを利用すると…花火の一番下から一番上までが、約40度」
「と言う事は、花火の中心から花火の端までの角度は20度って事ですよね」
「その通りだ。つまり花火の直径は、300メートルかけるタンジェント20度かける2で…
おい、誰か関数電卓持ってないか?」
「……ちょっといいですか、仲のいいお2人さん」
「なにかね」
「私たちもいるんです。もっと普通に楽しめないんですか?」
「楽しんでますよ~。ね~、博士?」
「ああ、もちろんだ。……わかった、わかったから、関数電卓を振り回さないでくれ。と言うか、持ってるじゃないか!」
2007年 真夏




