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第20話 友人と初詣

年が明けて、冬休み真っ只中。


俺、天城奏人あまぎ かなとは、

妹・紗良と、友人たち数人──そして澪と一緒に、

地元の神社へ初詣に向かっていた。


小さな神社だけど、

地元民に愛されている場所だ。

 

参道には、湯気を上げる甘酒の屋台や、

あちこちに並ぶ絵馬や破魔矢の露店。


吐く息が白く染まる寒さの中でも、

どこかワクワクする、そんな空気に包まれていた。

 


 


神社に着くと、早速、長い行列。


並びながら、みんなでわいわい喋る。


「なぁ、今年の目標って決めた?」


友人の圭吾が、そんな話を振った。


「もちろん!」


胸を張ったのは紗良だった。


「アイドルになりますように!」


大きな声で宣言して、

周囲からクスクス笑いが起きた。


でも、誰もバカにはしていない。


むしろ、

「あの紗良ちゃんならマジでいけるかも」

みたいな、そんな空気だった。

 

 



 


俺も、そっと手を合わせる番が来た。


賽銭を投げ、目を閉じる。


(……澪ともっと仲良くなれますように)


(玲央に勝てますように)


(交通安全、家庭円満、金運上昇、学業成就……)


お願い、盛りだくさんすぎる。


(……まぁ、いいよな。欲張るくらいがちょうどいい)


そう思いながら、そっと手を合わせた。


 



 


願いを込めた後、

ふと隣を見ると──


澪が、もじもじと照れた顔で立っていた。


「……な、なに?」


尋ねると、澪は小さな声で言った。


「奏人くんと、同じお願い、したかも」


顔を真っ赤にして、

指先をいじりながらそう呟く澪。


(──殺す気かこの可愛さ)


不意打ちすぎて、

心臓が一瞬止まったかと思った。


でも、なんとか平静を装って、

にかっと笑って答えた。


「そっか。じゃあ、絶対叶うな」


澪も、恥ずかしそうに笑い返してくれた。


雪のちらつく初詣。


その寒ささえ、温かく感じた。

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