第3話 裏切りのお父様
「はぁ~~~~~ぁぁ」
今日何度目か分からないため息をつく。
あの後、大声を出した経緯をお父様に聞かれ、思わずスキルの事を話してしまい、とても怒られた。
そして、
「お前をこの家から追放する!今日中に出ていけ!」
と、言われてしまった。
ひとまず、今日1日はいていいということを聞いたから、今日はいさせてもらい、夕方位になったら出て行こう。
でも、やっぱり悲しいな…………
「!?」
そこでやっと気づく。
家を追放なんて言われたらこの先どうやって生きていけばいいのか分からなくなるはずなのに、俺は至って冷静だ。
お父様…………いや、アストラル様に怒られているときも、
(やっぱこうなるよな)
ぐらいにしか考えていなかった。
「俺の体に、いったい何が起きている………?」
まぁ、そんなこと考えても仕方ないか。
と、思っていると、
こんこん、と、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「ルーク様、お父様が及びですよ」
と、使用人が入ってきた。
どうやら、使用人には俺を追放したことを話していないらしい。
それにしても、アストラル様が俺に用?
嫌な予感しかしない。
(まぁ、行ってみるか)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
こんこん、と、ドアをノックするそして、
「ルークです」
と声を掛ける。
そのすぐあと、
「入れ」
という声が聞こえてきた。
その言葉通りにドアを開けてなかにはいる。
「失礼します。それで、用件は何でしょうか?」
「そうだなルーク。お前には、【深淵】に行ってもらうことにする」
「し、【深淵】!?s、それって、世界最難関と呼ばれるあの【深淵】ですか!?」
「あぁ、その【深淵】だ。そこに、一人で行ってもらう」
「そ、そんなの死ねって言ってるようなものじゃないですか!」
「はは、察しが悪いな、ルーク。だから、お前に死ねって言ってるんだよ」
そう言って、服のポケットから青い意志を取り出す。
そしてニタァと笑い、
「そ、それは転移決勝!?」
「ルークをSSSランクダンジョン【深淵】に転移!!」
あらん限りの声で叫んでいるアストラルを見て、俺はとても怒った。
「ちっくしょーーーーがーーーーーー!!!!!!」
俺の司会は暗転し、気が付いたころには薄暗い洞窟の中に一人ぽつんと座っていた。