第2話 なにこのスキル!ゴミなんですけど!?
俺は、深い眠りの中にいた。
そして気が付くと、真っ白な空間にいた。
とうとう、この時が来てしまった。
あたりもハズレも一度キリ。一生やり直すことはできない。
「さぁ、こちらに来なさい」
「は、はい」
いつの間にか、そこにはこの世のものとは思えないほどきれいな女性が立っていた。
本能で分かる。この人が女神様なんだ。
「今から、あなたにスキルを授けます」
「分かりました」
思ったより冷静にいられる。
さっきはいきなり声を掛けられて驚いてしまったけど、全然緊張と化していない。
なんでだろう?
すると、女神様が両手をこちらに向け、念じるように言葉を発している。
でも、何をしゃべっているか分からない。
もしかして、夢だからあまり思考が働いてないのかな。
などと考えていると
「終わりました」
と言ってきた。
「あなたのスキルは…………」
「俺のスキルは?」
「………無限水筒です」
「無限、水筒?」
「はい、ステータスボードと唱えてください」
「ス、ステータスボード」
ルークLv1 スキル『無限水筒』Lv1+
「そして、スキル名の隣にある+を押すのです」
「はい」
スキル『無限水筒』
・自身力量に関係なく、水筒から無限の水を出すことができる。
・出力を調整することができる。
・Lv2解放
・Lv5解放
・Lv10解放
「それがあなたのスキルです。さぁ、お戻りなさい。あなたのそのスキルは使い方によっては歴史に名を残すこともできるでしょう」
「え?ちょっと待ってください!これ、ただ水出すだけのごみsキルですよね!?」
俺の声はむなしく消え、視界がぐにゃりと曲がり、次の瞬間には元のベッドに戻っていた。
そして、さっき言ったことをもう一度繰り返す。
「これ、ただ水出すだけのごみスキルだよね!?」