9.時空会議とテスラコイル
通勤の暇潰しに!
第9話
時空会議とテスラコイル
大魔女、研究所長達が集まり、延々と会議をしていたが、結論には程遠く長引いていた。
何故か?
地球が絶滅しようかという時に、軽々に結論等出せるはずが無かったのだ!
慎重の上にも慎重に議論されていた。
新たな時空の歪みが発生しようとしていることは、知られていた。
ただ、どの時間に現れるのか?
検討が付かなかったのだ。
それが、徐々に行き先が解りつつある。
21世紀中のどこかだ!
そこまでしか分からないのが、現状だ。
とにかく、今できることは、対処できる魔女と科学者を増やすしかない。
優秀な人材はかき集めるのだ!
***
「ほほう、変わった人材ですか?」
「えぇ、男なのに高い魔力を持った者が、21世紀の日本にいるんですよ」
「21世紀と言えば、ワームホールが出来る可能性の高い時間では!」
「それは、救世主かもよ」
「何らかのコンタクトを持つべきでは?」
「えぇ、今、うちの試験官がコンタクトしておりますので、ご安心を」
「それは、楽しみだ」
大勢の魔女や科学者が、ウンウンと頷いていた。
***
さて、会議は、大陸を呑み込みかねない規模のワームホールの出現を防ぐため、必要人員を割り出していた。
かつて、バミューダトライアングルを消滅させるのにも、何十年と掛かってしまったことがあった。
時空の歪みとは、そういうやっかいなものなのだ。
そう、あのバミューダトライアングルの時は、突然の事故の様な時空の乱れに対処できるだけの人員が少ない上、発生予測が出来なかったのだ。
しかし、今はある程度は予測が出来る!
移動ワームホールは、特定困難だが、ある程度は分かるようになったのだ!
そのことについて、過去の会議では!
「テスラ博士、ワームホールの出現時刻と位置は、まだ正確な時間と場所は計れませんか?」
「それは、移動中のホールは、大まかにしかわかりませんが、今の“新テスラコイル”なら、緩やかに誘導が出来ます」
「「「おおおぉ」」」会場から驚嘆の声が漏れる。
「ですので、出来るだけ遠い時間まで、遠退けております」
と、このような会議を何度も何度も繰り返してきた。
そして、ワームホールの出現は21世紀中の太平洋西部とまで判明したのだ。
そして、現在!
会議中に警報がなった。
「何事かね?」と議長が尋ねると、ある科学者が、
「大変です! ワームホールを誘導していた第10番の新テスラコイルが故障しました。
ワームホールが流されます。追尾に必死でコントロールは不可能です」
大陸を呑み込みかねないワームホールのコントロールが出来なくなった。
どの時代のどこに出現するのか?
しかも、テスラ博士は行方不明なのだ!
地球の運命は如何に?
次回の時空の魔女は、いよいよ、加藤彬が箱庭に入ります。
読んで頂き、有難うございました。
次回もよろしくね!
次は金曜日!