表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『時空魔女大戦』 ―アヌンナキの秘宝争奪戦― 「何故か魔女試験にいるはずの無い、オトコが1人いるのですが!?」 =ここは男子禁制の魔女試験なので、“男の娘”にして誤魔化します=  作者: 井上 正太郎
第一章 何故か魔女試験にいるはずの無い、オトコが1人いるのですが!? ―ここは男子禁制の魔女試験なので、“男の娘”にして誤魔化します―
81/84

81.出陣の儀式

第81話

出陣の儀式


 儀式当日!


 新人魔女・初級魔女・中級魔女、科学者のうち、研究員から主任までが会場に入り着席した。


 科学者のトップである研究所長と魔女のトップであるあ大魔女の入場が始まる。


 そして、戦闘の主役である上級魔女の入場だ。

 メインエベントなのだ!


 で、大魔女と上級魔女は、上位の魔女とよばれているが、大魔女は企業でいえば幹部なのだから、直接戦場にはいかないのだな。

 戦場での実質的トップは上級魔女になる。

 

 では、上級魔女の上級とは何か?

 それは、時空、つまり、時間と空間の魔法が、上級魔法まで使えることなのだ。


 時間をさかのぼるのでも、入門者と上級者では、さかのぼれる時間はけた違いなのだ。

 そもそも、魔力の質も量も違うのだから当然なのだ。

 時間や空間を圧縮する魔法を自他に使えるのも上級魔女の特徴だ。


 意外と思われるかもしれないが、他人に魔法を当てるより、自分の中に込める方が難しい。

 貯めた魔力を放出するのは、慣れればできるが、それを自分に向けるのは方向がない方向へ魔力を放つようなもので、感覚をつかみ、さらに訓練が必要だ。


 例えば、矢が飛んでくる。

 自分に当たる直前に魔力を使い避けるとしよう。

 1つは矢の速度を遅くして避ける。

 もう1つは、自分の速度を速くして避ける。

 この2つのやり方があるが、初級魔法では1目のやり方しかできない。


 中級・上級になると自分を加速させて、避けることも出来るし、上級魔女は両方同時に使える。

 エマリーの“加速世界”という魔法は、自身の加速と時間を切取り、時飛ばしを行っている。

 誰も追いつけないし、弾が当たることはないが、この間のパブリチェンコとの戦闘のように、動けない場所ではさすがに、使い勝手が悪かったようでだ。

 

 まあ、「目の前にある紙を燃やせ!」と言われるのと、「自分の身体を燃やせ」と言われるのでは、どっちが難しいか想像してもらえれば、分かってもらえると思う。

 しかも、やけどしないように燃やさないといけないしね。


 さて、1人目の楊派閥の呉賢貴の入場が始まったようだ。

 中国拳法を披露している。

 白鶴拳のパープーレンという套路らしい。

 歯音で「ハッ」とブレス音を鳴らしている。この拳法は変わっている。

 呉が少林拳を基に編み出した拳法なんだけれど、女性らしいとは、ちっとも思わない。

 なぜか?

 荒々しいし、鍛錬が必要な力業なんだよ。

 しかも、殴られることも想定内で、めちゃくちゃタフでないと使い手になれないのではと思っている。


 続いては、メアリー派閥のイザベラだ。

 見た目は、活発なイギリス人だが、幼少のころは身体が悪かったらしい。


 そこで、彼女の鍛錬法とは、旅行だ!

 旅行によって、養生し体力胆力とも蓄え、魔力も高めたという。

 そこで、世界各地を旅をしているとスポンサーまで付き出し、出版活動までしたという有名人だ。

 そんな彼女の魔法は旅に関することが多いとか?

 見てみたい!

 必殺技は“タイムトラベル”という時間牢獄送りだ。


 これだけ、素性の知れている上級魔女も珍しいイギリス貴族婦人だよね。

 ちなみに、日本通だ。



 次に入場してきたクィーン・ベルスターは、拳銃片手に空砲を鳴らしている。むろん、空砲は事前に許可を取っている。

 しかし、空砲とわかっていても、それなりに迫力がある。

 それと、彼女には、正義とか地球のためとかという発想は皆無だ。

 むしろ、悪人に近い。

 生前は、無法者として賞金首だったらしい。


 また、私のように、戦争での実戦経験ではなく、用心棒やギャングの抗争のような実戦を経験している。

 折り目正しい決闘など行わない。


 そして、彼女の墓石には、この様に書かれている。

“彼女の死を嘆く勿れ、無用な情けを掛ける勿れ、此処には棺の他に無く、耀き満ちる宝石も無し”と。


 そうこうしていると、うちのエマリーの番がやってきた。

 火炎魔法が使える彼女の入場は、ヒトダマを飛ばしていた。

 いや、ここは、お化け屋敷ではないのだよ。


 ファンが「エマリーさまッ」と手を振ろうとしたら、ヒトダマが反応して、その魔女を追いかけてしまい、逃げまどう、魔女達!?


 なんか、会場が軽くパニックになっている。

 ヒトダマだから、物理攻撃が効かないので、エマリーが魔法解除するしかないのだが、本人と言えば、

「あらあらあら、みんな、逃げちゃだめよ。もっと追いかけてしまうわ」

と言う具合で、やめる気がないんかい!?


 しばらく、会場はパニックであった。

 

 次回は、キーナの入場では、またあの人が……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ