31.決闘! キーナとパブリチェンコ その1
おはようございます!
通勤の暇つぶしに!
第31話
決闘! キーナとパブリチェンコ その1
「この共産主義者め!」
「やかましい! このドイツ野郎が!」
上空での格闘戦が始まった。
今まで狙撃戦でパブリチェンコのテリトリーで戦っていたが、今度は格闘戦とキーナのテリトリーだ。
向かい合った場合、取るべき手段は3つだ。
ひとつは、先手を取る。
ふたつは、相手を誘う。カウンター狙いだ。
3つは、相手の出方を見る。
この3手のいずれかしかない。
そして、多くの兵士が、つい3つ目の出方を見てしまい無策な対応を迫られている。
ハッキリ言おう!
3つ目を選択するぐらいなら、2を選べ! と言いたい。
不思議なぐらい多くの兵士が、この選択肢を選んでしまうのだ。
これは、自身が実力差で大きく上回っている際の選択肢だ。
双方、実力が、どちらが上か! はっきりと、わかっている場合、下の者が吶喊攻撃を仕掛ける場合がある。
その際、不覚を取らない為の策なのだ。
そして、今、格闘戦は私に部がある。
射程距離もAK-47カラシニコフよりも、M16の方が長い。
なら、パブリチェンコの取る手段は、1の先手しかない!
だが、ワタクシ、キーナ・コスペルがそれを許すはずもない。
私の策は、1+3だ!
防御魔法の魔法壁を3重に貼り、フルオートで仕掛ける。
「死ね、ドイツ野郎!」
と、パブリチェンコは叫ぶと、間合いを詰めて来た。
何故かセミオートだ!?
単発では、魔法壁は突破出来ない。
これは、明らかにミスだ!
さらに、私は、誰もが使う魔法壁に、ひと細工をしている。
普通の魔法壁は平らな板なのだ。
慣れてくると回転させることができる。
回転することによって、同じ箇所を撃たれる事が減るからだ。
しかし、正面からだと分かりにくいが、私は、魔法壁に傾斜角度をつけている。
何故って、撃った弾丸が直角に当たらないからだ!
直角に当たると、魔法壁の厚さが1センチだと、1センチの厚みで耐えることになるが、傾斜が付けば、角度によっては厚みは、2割増し、3割増しの厚みになるわけだ。
これは軍艦の側面がしっかり傾斜しているのと同じなのだ。
なので、パブリチェンコの弾は、魔法壁に弾かれた。
一方、私はフルオートにしていたので、パブリチェンコの魔法壁にはヒビが入った。
そして、パブリチェンコは弾丸を避けるため、態勢を崩してしまった。
“チャンス!”
「一気に仕留めるッ」と、間合いを詰めると、ふと気が付いた。
霧が濃くなっていることに!?
魔力無効化の霧か? それとも単に光る霧なのか?
魔力無効化の霧なら、魔法壁も危ないな。
次回の時空の魔女は、“まあ、水筒の水でも飲むよ!”です。
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また、次回もよろしくね!




