3.名前が、“きなこ”って、笑うわ!
第3話
名前が、“きなこ”って、笑うわ!
エマリーは自身の魔法で、加藤絵麻として日本の京都市に転生した。
その際、魔女としての記憶は封印しておいた。
そして、高校入学時に封印は開放する。
魔女としての記憶も魔力も開放されるのだ。
高校浪人したら?
聞くではない! そんなこと!
これは、高校入学までの間、男の魔女候補者、加藤彬の実の姉として、純粋に接するため、記憶を封印したのだ。
生まれたときから、前世の記憶があって、パンツを頭から、かぶったりはしないのだ。
そして、アキラが生まれた時は、まだ2歳なので、この時のことは記憶にない。
絵麻が幼稚園に通う頃、アキラが「ネェネ、ネェネ」と声を掛けてきた。
カワイイ! 子供心にもホッコリした。
小学生になった頃、アキラは幼稚園に入った。
「お姉ちゃん、すきッ! 大きくなったら、お姉ちゃんと結婚する」
「私も好きッ」と、仲の良い姉弟だった。
絵麻が小学三年生の時に、アキラが小学生となった。
まだまだ、小さくてカワイイ!
一緒に登校した。
カワイイ弟がいて、幸せだった。
小学校の頃のアキラは、女の子より女の子な男の子というか、また、両親もそれを楽しんでいた。
髪の毛も伸ばし、牛若丸みたいなヘアースタイルだった。
どことなく仕草も女性的だ。
よく女の子に間違われていた。
というか、男の子と言われたことが無い。
他の男の子より、やや小柄な感じだ。
アキラは中学入学の際に、髪を切って、男とわかるような外見にした。
学校では!
というのは、絵麻の趣味もあって、『カワイイは正義』とか、訳のわからんことに付き合わされていた。
おそろいの服とかも着ていた……
そして、加藤絵麻が高校入学の時を迎えた。
入学式の前日。
明け方、絵麻は夢を見た。
年の頃なら、25歳ぐらいの女性が話しかけてくる。年齢は違うが、これは私だ!
予知夢なの?
魔女? 時空の魔女?
時間操作をする?
時空を操作し、地球を守れですって?
なんだか、不思議な夢を見たな。
次の日も、25歳ぐらいの私の夢を見た。
そして、ハッキリと思い出したのだ。
私は、伝説の一角獣の末裔、エマリー・アインコーン!
時空の魔女だ!
ここには、加藤彬が魔女試験を受けるのに値するのかを、判断しに来たのだ。
今日からは、時空の魔女として、彼をシッカリ観察することにした。
***
加藤彬は男だ!
何故、女の特権、魔女候補者になれるのだ?
男であることは、間違いない。
昔、一緒にお風呂に入ったので、確認した。
うん、間違いなかった。
見た!?
しっかり、見たぁ!
あれをッ!
うん、可愛かった♡
まあ、男としては、女の子的であるが……
そして、私は、大学生となった。
相棒のキーナ・コスペルと合流した。
彼女の日本名は、紀井奈緒子というらしい。
“きい なおこ”、一文字飛ばしで読むと、“きなこ”じゃないの?
笑うわ!
本人は気付いてないみたいだけど。
「エマ! アッくんの魔女試験はどうするの? かなりの魔力を持っているようだけど」
「ごめん、こんなに時間を掛けたけど、何も分からなかったの」
「うーん、女の間違いではないの? どうする、諦める?」
「あの魔力量だよ。捨てるにはおしい人材だと……思う」
「では、女に見えたら良いんだよ!
きっと!」
「はぁ?」
「女装してしまうとか?」
えっ、女装したら魔女なのか?
次回の時空の魔女は、女装には訓練が必要と分かります。
読んで頂き、有難うございました。
次回もよろしくねぇ!