表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『時空魔女大戦』 ―アヌンナキの秘宝争奪戦― 「何故か魔女試験にいるはずの無い、オトコが1人いるのですが!?」 =ここは男子禁制の魔女試験なので、“男の娘”にして誤魔化します=  作者: 井上 正太郎
第一章 何故か魔女試験にいるはずの無い、オトコが1人いるのですが!? ―ここは男子禁制の魔女試験なので、“男の娘”にして誤魔化します―
24/84

24. 魔法は役に立たない

おはようございます。

第24話

魔法は役に立たない 


 イリーゼが慌てふためいている。

 仕方がない、見えない相手が自分達を狙っているのだから。


 エマリーは、何度か、深呼吸をして、自身を落ち着かせようとしている。


 時空の魔女、時空の科学者は死なない。

 自身の身体にタイムループを設定している。

 このタイムループを自動発動にすることを、オートヒールと呼んでいる。


 致命傷を負った時点から、1分前に戻るというように!

 1分前を、2分前に設定すると魔力は、2倍でなく、実際は、かなり多く数倍必要になる。


 科学者は科学者で、演算式が長くなり、実用から離れていく。

 だから、魔女も科学者も、せいぜい1分前に設定している。


 また、1分前に設定しているタイムループを2度発動しても2分前には戻らない。

 1分前に戻るループを、2回繰り返すだけなのだ!


 だから、時空の魔女や科学者を殺るには、致命傷以上のダメージ、即死で殺すしかないのだ。


 しかし、相手は、致命傷未満の傷を与えて楽しんでいる。

 痛みを与えて、楽しんでいる。


 こういうやり口が、私はたまらなく嫌いなのだ。

 一撃必殺が美徳とは言わないが、戦場で殺しを楽しむという狂喜を許す訳には行かない。

 そして、キーナ・コスペルは静かに燃えていた。



 両手のM16ライフルを握り直し、エマリーに言った。

「エマ、よく聞いて!」

 頷くエマリー。

「今から1分間、特大の空間バリアーを出すわ。その間に、エマは皆を治療して。治療が終わったら、移動して身を隠して欲しいの」

「魔力を使うと、位置がバレるわよ?」

「どうせバレるのなら、その間に全てを行うわ」

「考えがあるのね。分かったわ。治療は任せて」

「うん、ありがとう」



 そして、キーナは特大の空間バリアーを発動した。

 無論、パブリチェンコも魔力に気が付いたのだろう。

 魔力を含んだ霧も軽く発光しながら反応している。

 まるで、ここに獲物がいると教えているようだ。


 しかし、何に魔力を使ったことまでは、パブリチェンコには分からないはずだ。


 さらに、エマリーが治癒魔法を使っているから、パブリチェンコは、『余程、助手の出血がヒドいのだろう』と思ったに違いない。


“タッタッタタン”と自動小銃が発砲された。


 で、キーナは何をしていたかというと、バリアーの維持以外に暗視ゴーグルを使い、敵の位置を確認していた。

 確認をしたら、直ぐにゴーグルを外し、駆け出した。

「タコ壺に狙撃手がいるようだ!」


 エマリーは、治癒魔法を使いながら、駆けていくキーナを見て、彼女の無事を祈った。


「治療は終わったわ! バリアーが無くなる前に、移動しますよ」と、エマリーは皆に言った。



 次回の時空の魔女は、敵を追い詰めていきます。

 今は、辛抱のときです。



読んで頂き、有難うございました。


番外編の『キーナの回想録』も、よろしくね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ