22. 迷子になりましたよ!
おはようございます。
第22話
迷子になりましたよ!
「ここは、どこよ?」
「霧の森なんだけど、ここがテスラコイルなの?」
「演算は正確なはずです」
「ねぇ、キーナ。
ここ、魔力で満ちているね」
「箱庭クラスの魔力があるわ」
「ワームホールの中に箱庭があると?」
「それ、変な話じゃないの?」
「魔力感知でも出口らしきものは、見つから無いね」
「閉じ込められたとか?」
「まさか、次元牢屋……」
「でしょうね」
「上級魔女でないと作れない次元牢屋が、ワームホールの中にある。誰が作って、誰かを閉じ込めたと?」
「テスラ博士と側近?」
「閉じ込めた側なのか? 閉じ込められた側なのかは、わからないけど」
***
こちらは、テスラ博士と助手たち
“ドォーーン”
「なんだ?」
「凄い衝撃でしたが……」
「何かが、ぶつかったのか?」
先程の衝撃で霧が少し晴れていくようだ。
牢屋の何処かに亀裂か穴でも空いたのだろうか? 霧が流れている。
そして、博士達は、霧の流れていく方向を確認していた。
「あっちだな」と、博士が言うと、助手たちも頷いた。
これは、出れるやもしれない!
***
「お祖母様、霧で見えませんね」と、イリーゼは言った。
「そうね、灯りでもつける?」と、火炎魔法の使い手、エマリーが答え、キーナを見ると!?
なんと、先程とは違い、キーナは、白の迷彩服に、暗視ゴーグルに軍事用マスクという魔女らしからぬ姿であった。
し、白い悪魔、シモ・ヘイヘだ!?
「ヒィィ」と、イリーゼが慄く。
「き、キーナ、その格好は?」
「暗視ゴーグルよ! 暗かろうが、濃霧だろうが、見える一品よ! まさか暗いからと言って敵陣内で松明でも炊くつもりだったの? ダンジョンでも、あるまいし」
「ウッ……」
どうやら図星のようだった。
「それと、これ! この霧は魔力を含んでいるようね。マスクはしておきなさいよ」
「えっ、そうなの?」
「お、お祖母様ッ、私、もう駄目です。付いて行けませんξ」
「ちょっと、ここで止まっても帰れないよ」
「と、取りあえず、魔力でフィルターを作ったわ」
「お、お祖母様、ありがとうぅ」
「ところで、キーナ! そのゴーグルとかは、どこで買ったの?」
「うん、アキバで(嘘)」
「「……」」
「お祖母様、バカにされてますわ」
「ハハハ」
「お祖母様、笑い事では!」
「いいの、だからキーナに来てもらったのよ。私の足らないところを補ってもらい、キーナの足らないところを補う。それで良いのよ」
「なるほど……」
いや、『なるほど』ではない。
エマに有って、私の足らないところとは、具体的には、なんだ?
身長ぐらいだろう。
「止まって! 人影が見えるわ」
その時、キーナの暗視ゴーグルに人影が映った。
次回の時空の魔女は、時空牢屋とワームホールの関係、消えた新テスラコイルの場所を見つけます。
たぶん、見つけます!
きっとなの!
読んで頂き、ありがとうございます。
次回もよろしくね!




