18.新テスラコイルと人類誕生
おはようございます!
連休は、どうでしたか?
第18話
新テスラコイルと人類誕生
第10番新テスラコイルをジャックしたのは、科学者のジョンと魔女のリリースだった。
「新テスラコイル、こいつさえ頂ければ、惑星ニビルだって行ける。そうすれば、アヌンナキの秘宝だろうが、手に入ることだって可能なはずだ」
「あれでしょう? アヌンナキは地球の黄金を集めて持ち帰ったという」
「そうだ、おそらく、アヌンナキの秘宝は黄金だろう」
「その黄金は、どこにあるんだい?」
「俺が考えるに、一つは惑星ニビルの大気圏にバラ撒かれているはず。
それと、もう一つは地球が、崩壊しないように地球のどこかにあるばすだ。中東からアフリカの間だろう。アヌンナキの活動範囲からして」
ジョンは、こう考えていた。
惑星ニビルに辿り着くことができれば、大気中にばら撒かれた黄金を回収出来ると。
それには、大規模な時空操作が必要だ。
一人の魔女や科学者の力では、惑星ニビルを探し当てることは不可能だ。
しかし、この新型のテスラコイルを使えば、惑星ニビルを見つけ出し、航行の計算まで可能なはずだ!
「テスラ博士は、その後はどうなんだ?」
「まぁ、大丈夫よ。助手達と私の作った次元牢屋に落ちたままだよ」
「邪魔者がいなければ、好きにやれる!」
「そうね!」
二人の高笑いが第10番新テスラコイルのコントロール室に響いた。
***
「博士!」
「皆、無事か?」
「はい、私は大丈夫です」
「俺も大丈夫です」
「一体何が起こったのでしょうか?」
そう、テスラ博士と三人の助手は、ジョンに「第10番の新テスラコイルの具合が悪いので、検査して欲しい」と言われて、やって来たところ、突如、点検中に気を失ってしまった。
気がつくと、見知らぬ世界にいた。
これが、リリースの言う“次元牢屋”だ。
次元牢屋とは、実は、魔女の箱庭の出口を壊した物なのだ!
つまり、中からは出れない仕組みになっている。
中の者が出るには、外から壊すしかない。
それには、基本的には、上位の魔女が開けるか、ワームホールが激突するかだ!
だから、上位の魔女がいる箱庭は潰す!
そして、殺す!
上位の魔女は、致命傷を負ったときに、時間操作で負傷前に戻るように自動設定している事が普通だ。
時間操作をオートヒールに使っているため、瞬殺しかない。
一瞬で跡形も無く消滅させることのできるワームホールなら!
「次の目標は、エマリーとキーナのいる箱庭にするわ。あんなバカでかいもの、嫌でも目立つからね。狙って下さいと言っているようなものだ」
「今、牽引しているワームホールなら、5日で行ける」
「エマリー、キーナ! 楽しみにしてなよ。私は本気だからね」
どうなる、ワームホールはエマリー達の箱庭に激突するのか?
***
話は変わって、昔々、人類の歴史が始まる以前のこと。
何万年前だろうか?
知的生命体がいない地球に人々が降り立ったのは?
彼らの名を“アヌンナキ”と後世の人々は呼んだ。
まるで、鳥のようなスーツを着た彼らの目的は、この地球で黄金を採掘するためだ。
錆びることの無い金属である黄金を探し、惑星ニビルから宇宙船でやって来た。
その惑星ニビルは、大気圏に異常をきたしていた。
大気圏に穴が空くという。
そのため、宇宙からの宇宙線が降り注ぎ、人々に害を与えるやもしれない。
それを防ぐには、黄金の粉を大気圏に散布することだ。
錆びることの無い金属が、宇宙線を拡散させ、地上には一部の宇宙線しか届かなくなり、人体に影響が少なくなるわけだ。
そして、アヌンナキは黄金のある惑星を探し、地球にやって来たが、労働者からのストライキが起こってしまった。
理由は、惑星ニビルと地球の環境の違いだ。
例えば、地球の方が太陽に近いため、紫外線が多く、肌がただれるのだ。
日焼けの酷い状態になり、痛くて動かせない。そのため、鳥型スーツを外せない。
また、重力が強いため、アヌンナキの巨体を痛めてしまう。
腰痛や肩こりを発症させてしまったのだ。
惑星ニビルの緩い重力では、腰痛など滅多に起こらないのに、ここ地球では頻繁に発生している。
労働者達は、作業どころでなく、我慢の限界だった。
「日焼けを労災認定しろ!」
「腰痛防止策を考えろ!」
と、労働者は指導者に訴え、ストライキに発展してしまったのだ!?
そこで、困り果てた指導者は、地球の生物に労働をさせることにした。
地球には小型だが、知性を持てそうな生物がいたからだ。
アヌンナキは地球生物に自分達の遺伝情報を与え、新生物を作ることにした。
そして、56億に及ぶ失敗を繰り返し、ついに、満足の行く新生物、ヒトが誕生した。
それは……
女しかいない世界に、男が誕生した瞬間だった。
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