第一章 イマジネーションヒーロー
ビッグバンによって宇宙が生まれたのと同時に宇宙のバグが生まれた。
その原因不明のバグに対抗するためにウイルスバスターが作られた。
そして戦士達は終わりなきバグとの戦いに踏み出すのである。
「ここはどこだ!?」
一人の青年がなぜか異次元空間でさまよっている。そこへ謎の赤い玉がその青年に現れる。
「なんだこの玉は?」
青年が赤い玉に触れようとした瞬間、その玉は青年の胸の中へ入っていった。
そして激しい光と共に青年は何もない真っ白な空間にいた。
「どうなってんだ?」
当然青年の前に『これからチュートリアルを開始します』という文字が現れた。
その瞬間青年の前に腐った青黒い肌に鋭い牙と赤い目と白髪のはえた得たいの知れない四つ足の怪物オーガが現れる。
「おいおい!俺はどうすればいいんだ?」
『目の前をタップしてください』と現れた。
青年は言われた通りにタップした瞬間、謎のデータベースが起動した。
『「メタモルフォーゼ」との適合に成功』
「何がどうなってんの?」
『「変身」と言えばあの敵対生物に対抗できる力が使えます』
「わかった!言えばいいんだな!」
青年は息を大きく吸って吐く。
「変身!...って何もなんないよ!?ちょっと!」
すると突然青年の足から少しずつ変化してきてる。
「おお!」
そして青年は紅くメカメカしい装甲を纏った戦士へと変身した。
青年は自分の紅い手を見る。
「すげえ!俺、まじのヒーローになっちゃった!」
『ではまず目の前の敵を倒してみましょう』
「了解!」
そしてオーガも活動を開始して変身した青年に襲いかかる。
「俺はどう戦えばいい?」
『その姿は主に格闘タイプなので積極的に攻撃を与えましょう』
「了解!」
襲いかかるオーガに青年が強力な拳を顔面にパンチしてオーガを吹き飛ばす。
「おお!強い!」
『次は少し強力な敵と戦ってみましょう』
すると今戦った普通のオーガとは違い二足歩行で身長もかなり大きい。
強化したオーガは武器を持ち青年に襲いかかる。
青年は相手が武器を振って攻撃するタイミングをジャンプして回避する。空中にいる時間を利用して青年は敵にキックを与える。
それをくらったオーガは少し遠ざかる。
『なみの攻撃では倒すことは困難です。技を使いましょう』
「技か!」
青年がジャンプして空中から「カッターチョップ」という鋭い切れ味のチョップを与える技をオーガに与えて武器を破壊する。同時にオーガに赤い切れ込みを入れた。
すぐに青年が小さい気弾を作りオーガに「グレネードショット」という爆弾を相手に与える技。それを食らったオーガは爆発して動きが止まる。
「やったか!?」
『いえ、このように手強い相手には「コア」という物が存在していてそれを破壊しなければなりません』
「了解!」
青年は近づきコアを殴って破壊する。
オーガはコアが破壊されたことによって消滅する。
『おめでとうございます。チュートリアルは終了です。実践での検討を祈ります』
真っ白な空間はじょじょに消えていった。
「今のは...」
その玉のことを考えていると近くで怪物の不気味な鳴き声と人々の悲鳴が聞こえた。
「そうか!」
これは今から数時間前のこと、青年があるスーパーの入り口に入り、周りを見渡しある場所を探す。
目的地を見つけた青年は早歩きでその目的地に向かう。
「あれ売ってるかな?」
目的地に着いた青年は中腰になって目的の品物を探す。
「あった!」
目的の品物を見つけた青年はおもちゃの入った箱を五箱手で持つ。
「よっし!全部いるな!」
「ねえこれ買って!」
「ダメよ!」
青年のとなりで「おもちゃを買ってほしい」と頼む子供に拒否をする母親に青年が声をかける。
「じゃぁ俺がついでに買ってあげるよ!」
「やった!」
「でも、」
「いいんですよ♪」
青年が子供が欲しいおもちゃを持って会計に向かう。
お金を払って青年が子供におもちゃを渡す。
「ありがとうお兄ちゃん!」
「本当にすいません」
「いえいえ、じゃあね!たくさん遊んでやってね!」
「うん!」
そう言って二人は手をつないでスーパーから出て行った。
「あのお兄ちゃんスーパーヒーローみたいだったね♪」
「そうね♪」
「いやぁいいことした!」
彼の名前は石塚桐馬。ごく普通の地球人であり平凡な日常を送っているがその人生も今日で終わろとしている。
無事に買い物が済んだ桐馬はスーパーから出る。
「スーパーヒーローかぁ...」
桐馬は立ち止まって自分の買ったおもちゃのパッケージを見る。
「俺がヒーローか...よっし!俳優を目指すか!」
変な方向にスイッチが入った桐馬はスッキプを始める。
そのころ無限に広がる宇宙では白い粒子が一つにまとまり異形のバグが生まれ不気味な鳴き声を出す。
そこへ一人の女性が姿を現す。
「バグを発見♪」
「了解、コードネーム「ファングキラー」の排除を頼む面倒なことになる前に」
上司と思われる存在が彼女に無線で指示を出している。
彼女はネックレスを取り自身の剣「ナイトバスタード」を構える。
「覚悟しなさい!」
「宇宙での戦闘はスピードが大幅に上昇するけどそれは相手も同じだから気を付けて♡」
もう一人の女性が彼女に無線で情報を送った。
彼女は超高速で回転して光刃を何発も放つがすべてよけられてしまう。
「なんで当たんないのよ!」
「言ったでしょ!」
「何を!」
「はぁ!」
「「宇宙での戦闘はスピードが大幅に上昇するけどそれは相手も同じだから気を付けて♡」って!優しくハートマークまでつけてあげたのよ!」
隙を見たモンスター、「ファングキラー」は異次元ゲートを作りその中へ入り、ゲートと共に消える。
「まずい!ファングキラーがゲートを作り逃走!」
「なんだと!?」
「レーダーが正しければ奴の向かったのは地球です」
しばらくすると彼女に赤い玉が一瞬で通り過ぎる
「ん?」
「どうしたの?」
「一瞬だけど小さくて赤い玉がどこかに向かったの」
「誰かが「ヒーロー」をイメージした」
彼女に赤い玉が通り過ぎる数分前の地球。
「なんだあれ?」
人混みに気になった桐馬は近づき近くの人に尋ねる。
「あの~いったい何があったんですか?」
「なんか変なゲートがあそこにでてるんだよ」
一人の男性がそのゲートに指を指す。
「なんじゃあれ?」
桐馬がそれを見ると若者達が
「なぁあん中入ったらどうなるんだろうなぁ」
「やってみたらどうだ」
「よっしやってみるか」
その若者がゲートに近づく。
「まじでやるの?」
「やめておけって」
その若者がゲートに手を突っ込むと何かが切れたような音がした。
「え?」
その若者が手を出すとその手は切れていた。
若者は悲鳴を上げようとした瞬間、首を切られ倒れ出す。
そのゲートの中から若者の顔を踏みつぶしファングキラーが姿を現す。
人々は悲鳴を上げて逃げ出す。
「怪物!?」
桐馬がその姿を見て驚くとファングキラーは両腕から鋭い切れ味のカッターを放ち、木や巨大なビルさえも簡単に切り裂いてしまう。
「人型なのにそんなことまで出来るのかよ...(なにか奴に対抗できる力はあるのか?例えば悪と戦う正義のヒーローとか)」
桐馬は悪と戦うヒーローのことをイメージすると、どこからかそれに呼び寄せられたように謎の小さくて赤い玉が超高速で桐馬のいる地球に向かっている。
「あの玉の行き先がわかったわよ!」
「どこ?」
「ファングキラーのいる地球よ」
「ここはどこだ!?」
桐馬が気づくと異次元空間にいた。そこへ桐馬が呼び寄せた赤い玉が桐馬に現れる。
「なんだこの玉は?」
桐馬が赤い玉に触れようとした瞬間、その玉は桐馬の胸の中へ入っていった。
そして異次元空間は消え、元の地球に戻った。
「今のは!?」
その玉のことを考えていると近くでファングキラーの不気味な鳴き声と人々の悲鳴が聞こえた。
「そうか!この力を使えってことか!」
覚悟を決めた桐馬はファングキラーの元まで近づく。
「変身」
桐馬がそう言うと桐馬の体はメカニカルな紅い装甲に変化する。
桐馬は自身の手を見て拳を握る。
ファングキラーは桐馬にカッターを放つ。
桐馬は腕でそのカッターをすべて破壊した瞬間ファングキラーが口から火炎玉を吐く。
桐馬は両腕でその火炎玉を破壊すると人々の声援が聞こえる。
「頼む!あいつの仇を取ってくれ!」
「さぁて、散々暴れてくれたからな!今度はこっちの番だ!」
桐馬はファングキラーの元までダッシュする。
「我々も援護するぞ!」
ファングキラーを倒すため戦闘部隊も加わった。
彼らは桐馬がダッシュしてファングキラーに近づこうとしている間、銃でファングキラーにダメージを与えている。
ファングキラーに近づいた桐馬はジャンプして強力なパンチ技、「ストレートブレイク」を与えてファングキラーを吹き飛ばす。
離れたところからファングキラーが口から火炎玉を放とうとしたのを見た桐馬は片手から素早く赤い光弾を放つ技「バレットショット」を放ち、火炎玉を阻止する。
怒ったファングキラーは近くのヘリをカッターで破壊しようとする。
「やべぇ!」
桐馬はバレットショットを連射してカッターを阻止する。
「助かった!」
桐馬はヘリにサムズアップをする。
「これで決めるか!」
桐馬は片足に力をため、ジャンプする。
「アルファスマッシュ!」
青色のキックをくらいファングキラーは大ダメージを受けると同時に体内からコアをむき出しにする。
「確かあれを破壊するんだったな!」
桐馬は回転蹴りでコアを破壊する。するとファングキラーの肉体は完全消滅する。
終わったのを確認した桐馬は変身を解除する。
するとまた人々の声援が聞こえて来た。まるで「英雄」になったかのように。
「どうやらファングキラーは片付いたようね」
「ええ。それと同時にあの赤い玉が導いた人間の正体がわかったわよ」
「誰?」
「石塚桐馬っていう青年よ」
「普通の地球人のようね」
「はぁ~」
「どうしたの?」
「どうやらド素人みたい」
「え?」
「ファングキラーが使ったゲートをそのままにしてる」
「それじゃぁ...」
「このままだとまた面倒なことになるわよ」
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