車内にて
家に着いたらもう暗くなり始めていた。
そして今日話したことを振り返る。
(自分は確かに未来の日本を変える一歩を踏み出せたと思う。
でもこれで満足したらダメだな。
まだほんの少ししか日本の未来を変えれていないのだから。)
東山の父親と話したことによって自分の夢を現実にすることを決意した龍馬はその第一歩として自分の夢に必要不可欠な資産の状況を確認する。
パソコンに映し出された数字は昨日よりも減った45億ほどだ。
減ったのはSONYに投資したからだ。
もちろん数字が減ったからと言って貧乏性の龍馬でも流石に慌てない。
自分がかなりのお金持ちということを理解しているためだ。
しかも今日使ったお金は必ず自分の将来に役に立つと確信できるというような理由もある。
結局その日は自分の資産全てを株式の運用に当ててやることがなくなったのでお風呂に入って休むのであった。
次の日、まず龍馬は資産を確認する。
回収すると50億円ほどになった。
短い間数字を嬉しそうに眺めていた龍馬であったが昨日ディーラーに車の受け取りを延期してもらったことを思い出し、すぐに外出する準備をする。
ここ最近はいくつかの服を着回ししてる。
いくら1週間ほど前にルイヴィトンで服を買ったからと言ってもそれまで持っていた服はもう捨てたので数は以前よりも少なくなっていた。
そのため着回しするしかないのだが。
また加藤さんに手伝ってもらって服を買う決意をした龍馬は準備が整ったので早速家を出る。
ディーラーについた龍馬に前車を買ったときの店員が気付いて声をかけにきた。
「龍馬様、お待ちしておりました。
もちろん今日は車を取りにきたのですね?」
「はい、そうです。
遅くなってすいません。」
「いえいえ、全然問題ないですよ。
では早速車のほうに行きますか。
龍馬様も早く見たいでしょうから。」
店員と龍馬の二人は車庫に向かう。
今日が平日にもかかわらずかなり人が多かった。
流石天下のトヨタと感じたと同時に必ず買収してやると思っていた龍馬であった。
移動しているとシルバーのかっこいい車が見えてきた。
「こちらがお客さんの車の C-HRでございます。
どうでしょう。かなりかっこいいでしょう?」
「本当に心の底から思いました。
この車を選ばせてくれた加藤さんに感謝しています。」
「お客様の欲しい車を探す手伝いをするのも店員の仕事なので当たり前のことをしただけです。
それより早く乗りたいと思いますので鍵の説明だけして早速乗って帰っていただいて構いません。」
「そうですか。わかりました。」
それからいくつか店員さんから話を聞いた龍馬は早速車に乗り込む。
(すごいなー。
シートがふわふわだ。
しかも匂いと独特だな〜。俺は嫌いじゃないけどな。
前世でも特別運転が好きと言うわけじゃなかったけどいざ久々に運転席に着くと運転したくてたまらない気持ちになるな。
早速運転するか。)
そうと決まれば龍馬は早い。
店員さんにお礼を言ってディーラーを出て車を走らていた。
この間わずか5分。
一度やると決めたらとことんやる龍馬の性格ゆえこんな時間でドライブを開始することができたのだ。
とりあえず一度家に戻ろうかとも思った龍馬だがしばらくドライブを楽しみたいと思い山に向かう。
なぜ山かと言うと龍馬の家から車で20分ほど行った場所にあってさらに山道には信号がないのでふんだんにドライブを楽しめるからだ。
その日は遅くまで山道を爆走して車の運転を楽しむのであった。