東山家にて
朝、龍馬は電話で起きた。
「こんな朝からなんだ?
俺なんかしたか?」
そう言って時計を見たがもう11時だった。
昨日、かなり遅くまで小坂と東山とで話していたので起きるのも遅くなってしまった。
「もしもし、誰ですか?」
「東山だ。朝早くごめんな。
至急知らせたいことがあるんだ。
昨日親父が結局仕事で帰ってこなかったんだけど朝方帰ってきてその時に昨日の話をしたんだ。
そしたらよっぽど会社にお金がないのかすぐに会ったみたいって言ってんだよ。
それで急で悪いんだけど今日の午後から俺の家に来てくんない?」
「今日用事があるからなー。
その用事をずらせたら今日行くことにするよ。」
「うん、わかった。
ずらせたら連絡してくれー。じゃあなー。」
「おう、また後で連絡するよ。」
実は今日龍馬にはある予定があった。
トヨタのディーラーで買ったC-HRである。
本来なら1週間ずっと楽しみにしてたからすぐにでも取りに行くが、今回転生して日本という国を1流国にするという夢もある。
だから渋々ながら東山のお父さんのところに行くことにする。
なんで早速ディーラーに断りの電話を入れる。
「すいません。森内なんですけども、少し今日納車の予定なんですけどずらしたいんですけどできますか?」
運良く前車を買った時の店員さんだったので早速話をし始めた。
「もちろんできますがいつにしましょうか?」
「明日なら取りに行けると思います。
すいません、急な予定が入ってしまって。」
「いえいえ、構いませんよ。
1日置いとく分にはほとんどこちらは困りませんので。」
店員がほとんどと言ったのは全く影響がないわけではないためだ。
車1台はなかなかの大きさなのでディーラーの車を置くスペースを圧迫してしまうためである。
それでも店員はなんの見返りもせず置いていいと言ったのはC-HRという車がそこそこ高く、さらにカスタマイズもしてくれたのでかなりの上客と判断したためだ。
店員の思惑も知らずに電話を終えた龍馬は資産を確認して家を出る準備をする。
ちなみに資産は55億ほどになっていた。
家を出た龍馬は自分が通ってる大学である阪大と反対の方角に進んでいく。
ちなみに東山の家はこの前サッカーコートを建てたところの地区である。
静かで落ち着いてるため、金持ちがかなり住んでる場所に建っている。
歩くこと20分、今龍馬は東山の家の前にいる。
何度来てもその大きさに驚いている。
この地区は確かに大きい家が多い。
それでも驚くということはこの地区でも1.2位を争うほど大きいためだろう。
さっそくインターホンを鳴らす。
「お、龍馬来たか。
親父待ってるから早速入ってきてくれ。」
「わかった。」
まず庭に足を踏み入れて驚いた。
庭師のおじいさんがいた。
庭の雰囲気は質素な日本家屋にあるような感じだが、建物は見た感じ2階建ての洋風の建物だ。
庭が和風で建物が洋風だと噛み合ってないと思うかもしれないが見事に調和していた。
この時龍馬は和風と洋風は合わないという考えを否定した。
早速執事みたいな人が扉を開けたので龍馬は家に入っていく。
内装は吹き抜けで広々とした空間になっていた。
色がベージュ色で統一されていて優しい印象をうけ、2階ではなく地下まであった。
なぜ家に入った瞬間にわかったかというと玄関近くに螺旋階段があって地下まで続いていたためだ。
龍馬は金持ちの家にある螺旋階段に憧れていて今改めて見て家を建てる時は必ず螺旋階段を作ることを決意する。
執事に案内されて奥に行くと東山と東山の父が部屋に座って待っていた。