プロローグ
ここは2080年の地球。
今や日本は世界の最先端の技術を持っていた時とは違い、3流国である。
そんな中俺は寿命を終えようとしている。
俺は今、清潔そうな真っ白な病室でチューブに繋がれている。自分の命は自分がわかるというセリフをドラマで見たことがあるがそんなのわかるわけがないだろう、どうせ医療のことなんて何もわからないのにって思ってたのが嘘のようにもう寿命が終わると感じる。
俺の名前は森内龍馬。
親が坂本龍馬のファンでこの名前になった。正直、俺はこの名前が好きではない。なぜなら龍馬と言う名前に時代を感じるからだ。
俺は人生を後悔している。
唐突に何を言うかと困惑したと思うが自分にはたくさんの野望があった。
しかしそれを達成できる技術もお金もなかった。
もしその時お金があったらだの今言っても馬鹿にされるだけだろうが成功を掴めただろう。この日本を少しでも変えることができたんじゃないかなと今更ながらに思う。
死ぬ前につまらぬことを考えてしまった。
「人生は一度きりだから後悔せぬように生きろ」と親父にあれほど言われていたにもかかわらず後悔ばかりが残っている。
先に死んでいった親父に天国で、いや天国に行けるかわからないが小言を言われる想像をしてニヤついてしまう。
結局俺は結構親父のことが好きなのかもしれない。
そんなことを言いながら俺は意識が遠のいていった。
普通、映画とかでは家族が涙ながらに見送っていくのだろうが生憎俺には嫁に先立たれ、子供たちは自分たちの生活で精一杯でこの場にはいない。
それでもこんな自分に対してお金を出してくれて、治療を受け続けられている。
そんな息子夫妻には感謝をしている。
今までの人生、後悔はたくさんあるし、やり直せるならやり直してみたかった。
そんなふうに思った時に唐突に意識がなくなった。
「ここはどこだ」。
第一声だ。なんと間抜けな言葉だろう。
しかしそれでもわかってほしい。いざ、死んだと思っていたのにまだ生きてるとなれば人間パニクるものだ。
実際にそんなことになった人はいないのかもしれないが。
すると目の前の光の粒が集まり始め、人を形作り、それは20歳ほどの若いお兄さんになった。
「やあ、君が森内龍馬かい?」
急にそんなことを聞かれた。
まず自分の名前を知っていることに驚く。とっさに返事を返した。
「はい!」
自分が体育会系なのかと勘違いするほどいい返事だった。
「早速なのだが君を転生させようと思ってる。」
この若い兄ちゃんは何をいっているのだろうと思ったのだがよくよく考えてみるとこんな何もない不思議な空間に現れたのだから神か何かなのだろう。
大人しく話を聞いてみることにする。
「僕はよく下界を覗いていた。それで気になる人間を見つけた。誰も考えもしないような不思議なものを次々に考え付いているのを見れば興味を持ってしまった。それで君を転生させようと思った。君に足りない技術という特典付きでね。」
「いいのですか?自分はこのかた人生でなにも成功しなかった男ですよ?」
「それは、君の技術の問題だと思う。だから本能でどの株に投資をすれば価格がどのように変動するかがわかるようになる。だから安心しなさい。」
少しの間考えたが、結局ここまでお膳立てしてくれたのだし、自分の人生はすでに1度終わっているのを考えれば、いいことずくめだ。そこからの決断は早かった。
「わかりました。お願いします。」
「では来世ではいいことがあるのを祈ってるよ。それと君がお金をある程度自由に使えるようにならないと意味がないから大学生の時の君に転生させる。いいね?」
そこから返事をする間もなく視界が暗くなった。