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憧れは理解から最も遠い感情だよ


その日は休日で少し早起きしたから、気まぐれに仮面を被って、話すことにした。人が徐々に集まってくるのを寝ぼけ眼で見るさなか、定型文の中に紛れる情報。彼女の死を知った。


「ごめん、やっぱり今日は止める」


不貞寝する。


昼前には目が覚めた。普段は見ない人の動画を見ながら、何故、こんなことになったのかを考える。理由は…………思い当たる、幾つも。言われるまでもないことだ、見て見ぬふりをしていたけど。


夜になって、また話すことにした。大分落ち着いたと思っていたのに、いざそのことについて話すと涙が流れた。それでも画面の中の『私』は涙を流さない。そんな機能、実装してないから。表情が読み取れなくなった『私』はニコニコと笑っていた。


ベッドの上、夢の中で思い返す。最初に持ったのは憧れだった。もっと近づきたいって思った。この世で最も尊い存在だと思えた。だのに、『私』がやったことといえば、下心に任せて彼女を穢したというくらいだ。それ以外何も残せていない。


もう一度、やり直せたら――――――そういう気持ちで挑んだのは、最初だけ。何も変われない、何も変わらない、何者にもなれない。嗚呼、神様助けてください。ごめんなさい、嘘です。頑張ります。許してください。許してください。こんな俺を。

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