批判4・嘲笑
稚拙な文だったり、設定がザルだったりすると、つい揚げ足を取りたくなります。
ですが、それで作者の筆を折ったところで、そんな相手は無尽蔵にいます。
あなたの貴重な時間をムダにするほどの相手でしょうか?
「そっ閉じ」しましょう。
え、バカにして回ってるのは、ストレス発散のため?
なるほど、失礼しました。
しかし、お気を付けください。
まさか作品を投稿してないとは思いますが、もししていたら、発散どころではない、悲惨なことになるでしょう。
読み専だから大丈夫?
皮肉を言ってやるのが生き甲斐である?
なるほど。モチロンあなたの自由です。
もっとも、かえってストレスをためるリスクもありますので、そこはご注意を。
ウマい返信をされて凹まされたり、他の読者から横やりが入ったり、黙ってブロックされたり。
また、「批判が良くない」うんぬんといったエッセイも、ストレスの一因でしょう。
「作者のためにならない」などという話。知りませんよね。
え、そんなものなど気にしない?
むしろ、だからこそやってる?
重ね重ね、失礼しました。
ですが、その場合。特大のリスクが発生します。
嘲笑の気持ちから批判をしていたあなたの場合、100人の作者がツブれたところで、そんなのは知ったことじゃないでしょう。いえ、勲章と呼べるかもしれません。
しかし、1人でも作者が成長したら。
そいつのことが、めちゃくちゃムカつくのではないでしょうか。
バカにしてやった批判のせいで、作者が奮起してランキングを駆け上がっていったら……とんでもない悪夢となります。
一度そうなったら、もはや手遅れ。激しく叩いたところで、相手はすでに高ポイントを得ているハズですから。2-ⅱ)で触れたように、他の読者からボコボコです。
憂さ晴らしに、他の作品をバカにしてやったところで、問題の作品がツブせないのなら、イライラは募る一方でしょう。
具体例を出しましょう。
低ポイント、高ポイントにかかわらず、あなたはどんな作品でも貶してきました。
作者が凹んだら楽しい、筆を折ったら超楽しい、です。
さて、今日もまた、ランキングに載ってきたクズ作品に、因縁をつけにきました。
ここは「なろう」です。ランキングに載るのはクズばかりだと、あなたは知ってます。
出だし。ほー、意外にも、なかなか引き込まれますね。
その後も上手いこと展開され、続きが気になりました。あなたの批判力をもってしても、難癖がつけられません。
あなたは、少しイラッとします。
他の作品を書いてないんだろうか、そっちを笑ってやろうと調べます。
すると、全然評価されてない作品がありました。
あなたは少し溜飲が下がります。
ためしに本文を読んでみると、てんでツマラナイ。
どれ、小バカにしてやるか。舌なめずりをしながら感想欄を開いたとき。
あなたは、「かつて自分が書いた感想」を目のあたりにします。
そこで書いた批判の下に、作者の返信がありました。
「感想ありがとうございます。批判を真摯に受け止め、精進します」
あなたはブチ切れます。
自分が余計な事をしたばっかりに、こんな奴を作ってしまった!
覆水盆に帰らず。
ランキングに載った作品は、あなたの批判力をもはねのけるような代物です。
他の読者からは、絶賛の嵐でしょう。
もはや、取り返しがつきません。
無理筋で批判をしても、他の読者から大バッシングを受けるだけでしょう。
いえ、それでも批判したとします。
その際、もしも過去のIDと変えてなかったら。
「作者に、かつてのお礼を言われる」のが、一番の屈辱でしょう。
結論です。
稚拙な作品には、「ハハハ、ヘタクソ」と、内心小バカにしつつ、「そっ閉じ」しましょう。
モラルのためではありません。
あなたの精神を安らかにするためです。
――そんなブレイクをする作品なんて、ほとんどない、と思いますか?
たくさんの作品にやったら、いずれ、そういう相手が出てきます。
一件でも発生したら致命傷と考えると、与える刺激はつねにゼロが望ましいです。
「そっ閉じ」で対処しましょう。