批判2・怒り
次に、批判の原因が「怒り」という場合。
この感情はパッと出やすいため、さらに細分化します。
ⅰ)低ポイント作品の駄文によって、ムダな時間を使わせやがってという怒り。
ⅱ)高ポイントの作品を見てみたら、トンチンカンな設定やキャラなどを見せられ、ウソだろサギだ何でポイント高いんだよフザけんなという怒り。
ⅰ)低ポイント作品の駄文にムダな時間を使ったという怒りの場合。
ご愁傷様でした。残念ながら、読むのに費やした時間は戻りません。
しかし、そんな駄文に、さらなる時間をつぎこむ必要はないでしょう。
え? 他の読者さんが捕まらないための警告?
んー……。
ほっときましょう。他人ですし。どうせ「そっ閉じ」します。
また、合わない作品というのは多数ございます。全部に書いて回ってたら、それこそ莫大な時間がかかるでしょう。
「そっ閉じ」で、時間を節約しましょう。
ⅱ)高ポイント作品なのに面白くなかったという怒りの場合。
先ほどと同様です。
いえ、こちらの場合、あなたが感情のままに批判をブツけたら、他の読者から猛反発を食らうおそれがあります。
あなたと他の読者との好みは異なります。あなたが「つまらない」と思った作品を、他の読者が「面白い」と思うことも、十分ありえるわけです。
逆に考えましょう。あなたが、高ポイントの作品を読むさい、まず感想に目を通したとしましょう。そこで、他の読者が「つまらない」と書いていた場合、どう判断するでしょうか。
おそらく、「勝手に決めつけるな」と思って、一度は本文に目を通すのではないでしょうか。
たしかに。つまらなかった場合は、「そっ閉じ」するでしょう。
しかし、「面白いじゃないかよ!」と思った場合。
感想欄には、「つまらない」などという、何も分かってない、ムカつく文があったことを思い出します。負けじと、「これこれこういう所が面白かった、作者さんはあんな文なんか無視していいよ!」などと書くことでしょう。批判のうまいあなたです、批判の批判もお手の物でしょう。
もちろん、高ポイントの作品ですから、「つまらない」と書いた奴は、他の読者さんからも「何も分かってない」とボコボコですね。
――はい、ボコボコなんです。
とすると、高ポイント作品の感想欄に、怒りの批判をブツけるのは愚策です。一撃必殺クラスでもない限り、かえって燃料を与えるようなものですからね。
ならば、速やかに「そっ閉じ」をしましょう。
なに、問題ありません。あらゆる創作物がそうです。万人に受けるモノなどありゃしません。
テレビがどんなに推そうが、全米がどんなに泣こうが。
合わないモノは、合わない。
「そっ閉じ」をして、時間を有意義に使いましょう。
ⅲ)実は、「怒り」の場合、「どうしても譲れない一線」というものがございます。
ここで何も言わずに無視したら、精神的に死ぬ!
残りの人生は抜け殻になる!!
それほどの批判を、せざるをえない場合は。
徹底的に策を練ってから実行しましょう。
他の読者さんから見ても、確実にあなたに理があると見られるように、理論武装しましょう。ソースが必要な場合は、可能な限りネットですぐ提示できるものを用意しておきましょう。相手の対応策も事前に考えて、ツブしておきましょう。
ここで譲ったら、あなたが死ぬほどの「批判」です。
落としどころを見極めて、慎重に終わりまで持っていきましょう。そのさい、完膚なきまでにツブすと、他の読者さんが引く可能性もあるため、勝ちきる必要はありませんが、絶対に負けないようにしましょう。
ちなみに、すべてが思い通りになったとしても。
多大な労力にくらべ、得られるものはごくわずかです。
マイナスだったものが、ゼロになる程度です。
もちろん、時間も戻りません。
とはいえ。
こればっかりは、もう、どうしようもないですね。
譲ったら死ぬとあっちゃあ、誰も止められません。
なので、なるべく、そんな作品に出会わないことを祈りましょう。