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十五話 圧倒的じゃないか、我が軍は!

忙しいので更新が遅くなるかもしれません。

 木だ。

 木だよ、木。

 俺が見上げている場所には木、正確には木の天井がある。


 これは言うしかない。


「は! ……知らない天井だ」


「ロク君冒険者だから知ってるよね。」


 冒険者じゃありません。


 そこら辺にいる普通の一般人です。

 草が大好きな一般人です。

 最近動きすぎて筋肉痛がやばい一般人です。


「やっと街に戻ってきたんだね。久しぶりじゃないかい?」


「誰? 気安く話しかけないで」


 知らない人がいきなり話しかけてきたんですけど。

 たまにいるよねこういう馴れ馴れしい奴。

 対して仲良くないのに呼び捨てでよんできたり、肩組んでくる奴。


 自分パリピは嫌いなんで。


「そんなに冷たくしなくてもいいじゃないか。友達だろ?」


「俺に友達はいません」


 俺ってぼっちだから。

 ぼっちを極めしエリートぼっちだから。

 一人も友達いないから。


 ……え? ワーク三兄弟?

 知らんなそんな奴ら。


「はぁ。嫌いな相手だとすぐこうなるな。それ直した方がいいよ」


「俺のチャームポイントだから」


 俺からチャームポイントをとったら何も残らないからな。

 それを取れと言うのか。

 もう絶交するわ。


「前はこんなにひどくなかったんだけどなぁ……。どうしてこうなったんだろう」


「友情パワーが足りないから。まだギルはレベル一だから」


「……僕のこと覚えてるじゃないか。本当に忘れてるかと思ってたよ」


 そんな訳あるか。

 お前みたいないかつい顔忘れようと思っても忘れることできんわ。


「鬱陶しい奴め」


「なんで急に罵倒なんだい。心が不安定すぎるよ」


「人の心ってもんは一秒、一秒変わってくんだよ。覚えとけ」


 ここテストにでるから。


「……凄いですねギルドマスター。ロクさんのテンポが速くて訳の分からない会話についていけるなんて。私は無理です」


「慣れだよ、慣れ。人間こういう人にも対応しなきゃいけない時があるからね」


 何故突然俺を虐め始めたんだお前ら。

 泣くぞ、俺は泣くぞ。







「はい。お気持ちをぱっと切り替えて話をしましょう」


「なんでそんな口調なんですか……」


 そういう気分だからですね。


「では、まず自己紹介から入りましょう。ライさんから」


「これやる必要あるんですかね……。えー、名前はライ。性別は女。性格はすごく優しくて、周囲の人にとても愛されており人気者。Sランクになったら入るパーティーも決まってる超エリー」


「おい待てこら」


「なんですか?」


 なんですか? じゃないわ。

 聞いたことあるんだけどその自己紹介。

 デジャブ、デジャブなの?


「普通の自己紹介をしろ。いらん、ふざけた自己紹介は。名前だけでいい。こっちはさっさと話を進めたいんじゃ」


「ロク君が言っちゃいけない台詞だと思うけど」


 シャラップ!

 自己紹介もしてない名無しが発言権あると思ってんのか!


 俺は名無しを蹴飛ばしライに向き直る。


「ごほん。はよ、名前を言いなさい」


「いっつもこの自己紹介なんですけどね……。えーと、ライです」


「よろしい」


 今恐ろしいことが聞こえたが気のせいだろう。

 普段からあんな自己紹介するやつなんていないよな。


「では、次行ってみよう。ギル」


「はいはい。ジンだ。よろしく」


「よきかな」


 思い出したわ。

 ギルの本名ってジンだった。

 無駄にかっこいいい名前だ。


「ではギル、状況説明を」


「僕の呼び方は変わんないんだね……。まあいいや、わかってると思うけどここは冒険者ギルド。君は倒れてここに運ばれてきたんだ。僕はライ君が倒れたと聞いたから来たんだけど、まさかロク君がいるとは思わなかったね」


「なるなる」


 てっきり病院かどっかに運ばれるかと思っていたが違ったようだ。

 

「じゃあ帰るわ」


 俺はすたすたと扉へ歩いていき、外に出ようと


「ちょ、ちょっと待ってください! いきなりどうしたんですか?!」


 したらライが腰に抱き着いてきて俺を止める。


 なんだよこいつ。


「なんでいきなり帰ろうとしたんですか! 話の流れおかしかったですよね?!」


「そんなことない」


 少し時間をあげるからもう一度見返してごらん。

 どこかおかしいところがあったかい?

 

 ……ね? なかっただろ?


「ということで帰るわ」


「どういうことですか?!」


 俺は抱き着くライを引きずりながら扉へと向かう。


「え?! 起きて少ししか経ってないのにこんな力が?!」


「残念だったな。俺は寝たら力が湧き出るタイプなのだよ」


 ライは俺を止めようと必死になって踏ん張っているがゆっくりと引きずられていく。


 ははははは! 圧倒的じゃないか、我が軍は!

 このまま一緒に持って帰ってやろうか。


「く、助けてください! ギルドマスター! このままじゃ負けますよ!」


「負けるってなんだい……。ライ君だんだんとロク君に毒されてきてないかい?」


「そんなことありません! もともとこんな感じです!」


「それもそれで問題だけどね」


「どうでもいいんですそんなことは! 今は助けてください!」


「はいはい」


 ギルはしょうがないなと呟き、俺を指差す。

 そしてぶつぶつと何かを唱え始める。


 なにしてんだあいつ? 魔法でも唱えてんのか?

 でも魔力が見えないぞ。

 魔力を使わない新しい魔法?


 ……あいつならあり得るな。

 少し警戒しとくか。


 俺はいつでも指を鳴らせるように構えておく……って!


「おい! ギルお前あいつ呼びやがったな!」


「おお、気づくの早いね。頑張って魔力が漏れないように通話してたんだけどなぁ」


「気づいたのはそこじゃねえ! 死の足音が聞こえるだろうが!」


 やばい、やばい!

 どうする、どうする!

 このままじゃ殺される! 何か手段は!


 ……くそ、真面目に使いたくなかったがあれを使うか。

 死ぬよりはましだろう。


 俺は扉が開く直前に叫ぶ。


「テレポート!」


「ロク!!!」

説明がなく進んでいるところがあると思いますが(今出てきたテレポートなど)、作者の覚えている限り物語中で説明はするのでご安心ください。

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