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先輩、わたしまだ…

体育館の用具倉庫で、美島みしまさんとぼくが着替えをしていると、バスケ部の一年たちが、ボールを取りに倉庫にやってきた。


まずい…


倉庫の奥の跳び箱の向こうでは、美島さんが着替えをしているのだ。


見ると、バスケットボールはぼくのすぐ近くのカゴの中に山のように積まれている。


ぼくは、大急ぎでボールをつかむと、それを持って用具倉庫から出た。


そして、すぐに後ろ手で扉をしめた。


「これ…ボール取りにきたんだろ? 聞こえてたよ」


そう言って、バスケ部の一年にボールを渡す。


「あ、どうも。うぃース」


バスケ部の部員だけあって、その一年はデカかった。


身長185くらいはありそうだ。


だが、一年は素直にボールを受け取ると、軽く頭を下げて、ボールを持ってコートに戻っていった。


危ないところだった。


あんなデカいやつが中に入るのと、すぐに跳び箱の向こうで着替え中の美島さんを見つけてしまうだろう。


しかしバスケ部の練習コートにもどる一年を見送って、安心したぼくが倉庫に入ろうとしたそのとき、


またバスケ部の赤石キャプテンの声が響いた。


「バカ野郎! 一個で足りるか! カゴごと持って来い‼︎」


一年は頭をすくめ、また倉庫に戻ってきてしまった。


ぼくは、反射的に、扉の前に立って、一年が倉庫の中に入るのを防いだ。


「あの…中に入りたいんですけど…」


身長185の一年は、イラだった顔で言った。


「聞こえてたでしょ? 中からボールのカゴを出さなきゃならないんすよ」


一年とは思えない圧力だ。


いったい、ぼくはどうすれば…?


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