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37.さいごのきぼう
僕はきっと君に何もかも頼りすぎて望みすぎてしまったんだろう
だけどゆるされるならあと一つだけ 叶えてもらいたいことがあるんだ
ずうずうしさはこの上ない
重ねて重ねて君を困らせる
そんなことはわかってる 誰よりわかってると言いたいくらいに
でもお願いだから聞くだけ聞いてください
たぶん僕の最後の望みになることを
もし僕が何も生み出せないままこの命終えると
生まれてきた死んでいく意味わからないままだと
確定したその暁には僕のところへ来てよ
力なく横たわっているかもしれない 涙あふれさせているかもしれない僕の
僕という人間の最後の瞬間そばにいてよ
最期くらいいてくれたっていいだろう
あのときお互い重力のかかるままはなした手を
もう一度つないでなんて言ってない
今にぎる手の影が見えたってかまわない
君に残っている 僕にかかわった分の情をください
情けをかけてください
どうしてだろう
いつだってこうして僕がすがるのは記憶のなかの君で
僕にとって優しかった よく笑うあのころの君で
今につながらない君という存在はきっと僕の、