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20.未来
たとえば知らないうちにほくろが増えてたり
髪がのびたりそれを切ったり
服の趣味が変わったりして
同時に好きな曲やマンガも
住んでる場所も周りの人も
変わっていって
君の知らない僕になっていって
今はまだ君も僕だとわかってくれるだろう
けど
いつ君の知らない人になるか怖くて
怖くてたまらなくて
そしてもうひとつ怖いのが
君を知らない僕になること
今の君ならまだわかるだろうけど
大人になった君を
結婚した君を
親になった君を見かけたら
僕はどうなってしまうんだろう
あのとき世界が終わればよかった
一瞬で片がつけばこんなに
でも今僕も君も離れた場所で生きていて
これからの何十年かも生きていって
なのに反実仮想なんて
だからそろそろ諦めて現実を見据えよう
ただね
君の思い出だけは
ずっと
抱きしめてこれからも歩くよ