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17.ガラス
この間見たゆめを聞いてくれる?
ぼくはガラスにぺったりてのひらをつけて
きみのいるところを見てるの
つめたいのもつるんとしてたのも覚えてるけど
いちばんはきみ
笑ってた
その声が聞こえた
目が合った
ぼくはそらした
きみはガラスの ぼくのそばにきた
ぼくはとなりのだれかと話してた
世間話だった
話し終えてだれもいなくなって見たら
きみもいなかった
だから泣いた
目が覚めると
頬はかわいてた
それだけ
ねえぼくはほんとうはそれだけだったことが、