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11.廃棄物
工場がありました
贈り物を作っていました
サンタやツバメやコウノトリができたそばから運んでいきました
届いた先からはお礼の贈り物が届きました
そのまたお礼の贈り物を誰かが運んでいきました
やりとりは続きます
続くところとは
もう存在しない宛先に送るためにも作り続けて
飽和状態からいつか来る終わり
抹消された宛先が増える
新しい宛先も増える
そうやっていつか埋もれてく はず
なのに
工場の倉庫に
もらった贈り物は塔のように
ときどき崩れて落ちてきます腕の中に
すると作らずにはいられないのです
運び手が困るだけの贈り物を
今日も宛先不明の贈り物が
工場をぐるりと囲んで空が狭いです