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タイトル未定2025/09/04 17:52


ガチャリ、と玄関の扉の鍵を閉める。しっかりとドアチェーンも掛けて、一応ドアノブが動かないことを確認して靴を脱ぐ。

廊下には左側に二つ、正面に扉がついている。右側にはキッチンと冷蔵庫が設置されている。廊下が少し広めに作られているため、あまり不満を感じたことはない。

左側の一つの扉の奥には脱衣所があり、洗面所とお風呂が小さいながらもある。もう一つはトイレだ。最近まではトイレとお風呂は共用のものを使う決まりだったのだが、私たちが中学生の間にプライバシーの関係で何か生徒間で問題が発生したようで、親からのクレームが殺到したらしい。ちょうど私たちが高校生になるころに部屋にトイレとお風呂が設置された。ラッキーだった。設置のついでにリフォームされた寮は非常に過ぎしやすい。

中学は高校の校舎と近いものの、寮が存在していなかったためかえいつも遅くなっていた。

それに親と会わなくてもいいのが最高だ。何にも言われずに日常を過ごすことができる。


リビングとつながっている扉を開けるとそこには自分の安心する空間が広がっていた。

正面にはベランダのついた大きめの窓があり、防犯の観点からカーテンは閉めてある。左奥には自分の好きなデザインのかわいらしいフリルのついた布団がかけられたベッドがある。今までのこーくんにもらった歴代のかわいいぬいぐるみたちも丁寧に並べてある。

右側を見ると白い勉強机がある。机の右側には小さい冷蔵庫があり、いつもスイーツと飲み物を入れている。勉強につかれたときにすぐに手に取れて便利なのだ。

カバンを勉強机の奥、ベッドの正面にあるポールハンガーに掛けて勉強机に向かっている椅子に腰かけた。

ふーと息を吐きながら卓上時計に目をやる。時刻は午後9時半。この時間からの夕食は本来体に良いとされていないのだが、都合が都合だ。仕方がない。

汗をかいたのでこのまま過ごしているのは心地が悪い。先にお風呂に入ってしまおうと制服に手をかけた。


制服のチェックの入った水色のリボンを首元から取り、半袖のカッターシャツの首元のボタンを少し外す。

リボンよりも少しだけ色の暗いチェックのスカートを脱ぎ、リボンもスカートと同じハンガーに掛けてポールハンガーの近くにあるハンガーラックに掛ける。

その下には引き出しがセットとしてついているため、パジャマと下着を引き出しから取り出して脱衣所に向かった。



お風呂から上がり、肩からタオルを掛けながら廊下のキッチンへと向かう。

冷凍庫から気に入っているトマトとチーズの冷凍パスタを取り出し慣れた手つきで手順も見ないでレンジに入れて時間を設定し、回した。

昔から気に入ったものをずっと食べ続けてしまう癖は治らない。元々食べる方ではないから、誰かに見られないのなら簡単に済ませてしまう。

温める時間は5分。今はショートカットだから時間は足りるだろう。

洗面所に戻り、ドライヤーを取り出す。片手で熱風を当てながら片手で手櫛をして早く乾くようにする。


髪を乾かし終わるころにピーピーという無機質な音が聞こえた。少しまだ濡れているが、どうせ後でヘアアイロンをかけるのだから意味がないだろう。

ドライヤーを片付けて食事のもとへ急ぐ。


フーフーと息を掛けながら慣れ親しんだ味を口に入れる。

ピコんとスマホが鳴ったので、行儀は悪いがスマホを手に取り画面をみる。

スマホのメッセージには「♡ののは♡」と表示されていた。


気になって内容を見ていると、そこにはただ「明日話したいことがある」とだけ書いてあった。

気になって内容を聞いてみてもはぐらかされるだけ。なんでも、直接会って話したいとのことだった。

不思議に思いつつもこのまま考えていてもしょうがないので了解のスタンプを押して、食事を続けた。

寝る準備を整えてベッドに入る。お気に入りの月のデザインが施されたベッドライトを消す。寝るときは暗闇派なのだ。


「おやすみ...」


自分に挨拶をして瞼を閉じた。明日も何事も無いようにと願いながら...


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