そして彼女は復讐の女神と呼ばれるようになった

　一江永人は現代で復讐殺人を行った末、殺人鬼として死刑を執行された。次に目が覚めた時には、リィーン・アインシュという地方貴族の少女だった。
　一家大惨殺の後で、リィーン自身も殺されかけた反動で前世の記憶が蘇ったのだ。彼女は自分の死を偽装して、再び復讐に身を投じる。

　リィーンが転移した世界は七人の女神が造ったとされ、二番目の女神レヴィが人間たちから崇められている。
　その中、自分の家族を殺した人間の情報を集める一環でとある貴族に仕えることとなる。同僚として出会ったのは、狐耳に狐の二本の尻尾を持ったいわゆる獣人と呼ばれる種族のハナビという少女に出会う。

　狐族は過去のやらかしから、獣人の中でも虐げられている。
　そんな彼女と一緒に行動する中で、七人のうち一人、女神ルトスがハナビの体を媒介にして蘇ってしまい、リィーンは自身の復讐を果たせぬまま世界の闇に巻き込まれていってしまう。しかし、いつしかその闇とリィーンの復讐はつながっていく。