4 我らはクリスタルウォーカー
我が子に危害を加えたカス野郎を完膚なきまでにぶちのめす、そうモングラドゥの顔に書いてあるのは遠目からみても明白だ、逃げてもやつは気色悪いあの眼をギラつかせ地の果てまで追いかけるだろう、
「あの眼?」
あいつは鼻も良いが恐らく眼も良いだろう、瞼縁からこぼれそうなくらいご立派な赤い眼だ、正直最初のポジショニングで逆光ではなかったらもっと早い段階でバレていただろう、だがあいつは最後の最後に匂いではわかった、眼が良いということは光に弱いということでもある、つまり、、、、、
モングラドゥは怒り狂っていた
わたしのテリトリーを脅かし、産まれたばかりの我が子に危害を加えたカス野郎を細切れの餌にする、早くヤツへ!ヤツのところへ!あいつの生皮を引き裂き剥がして頭を噛み砕く、
原始的な本能は何よりも強い衝動、砂ぼこりを巻き上げあっという間にモングラドゥはケルトがいた岩場に着いた、だがケルトはいなくもがいてる我が子たちがいるだけ、モングラドゥは回りを見渡す、まだ我が子を慈しむ時ではない、ヤツを!ヤツをまず殺す!、すると100mほど先の岩山にさっきの黒いヤツが見えた、荒々しく息を乱しヨダレを垂らしモングラドゥは我が子を踏みつけ石を蹴り飛ばし岩山に向かって全力で向かう、あっという間にヤツがいた岩山に着いた、舌を出し鼻をひくつかせながら岩山の大きな隙間の中へ入る、
ヤツの匂いがする、貧弱で岩の下に張り付いてる虫のような匂いだ、この中へ入っていったんだ、必ず八つ裂きにする、子どもたちの餌にする、殺す!殺す!ザリザリと岩に自分の皮膚を擦り付け岩の隙間が織り成す天然の洞窟へ入っていく
中は真っ暗で何も見えないが空気の動きや音で難なく中の様子を把握することができる、まだ目は暗闇に慣れてはいないが間もなく見えるようになるだろう、だがこの鼻があの黒豆カスが近くにいることを教えてくれる、ヤツの呼吸体温を、空気の流れを感じとろうと舌を出す、すると、前方に明らかにヤツの強い匂いがある、ヤツにちがいない、モングラドゥは洞窟中に声を響かせ走り出す、少し目も慣れてきた、すると前方に黒い玉が浮かんでるのがわかった、卵のようにもみえるが産んだ覚えはない、ましてやヤツの匂いがする卵など、
すると卵を挟んで向こう側に青い光の粒が見えた、
モングラドゥは黒い卵など忘れ黄色い牙たちが並ぶアギトを広げ吠えながら躍りかかった
ケルトはニヤリと笑い、手にある小さな金具についたボタンを押した
ちょうどモングラドゥの顔の真ん前に卵がきたとき、凄まじい金切り音と閃光が洞窟内を充満させた、