2 我らはクリスタルウォーカー
「おいケルトなにやってんだよ今接続が切れたぞ」
高いが落ち着いた声おそらく女性だろう、ケルトと呼ばれたガンナーは舌打ちをつく
「クソトカゲが邪魔ばっかしてくるんだよクソ」
リンクの向こうの相手はため息をつき
「あんたさっきからそればっかり」
「3回くらいでしょ騒ぐなや文句はトカゲに言え」
ケルトは向かいの岩場でもがいてる6匹の黄色い斑点を一瞥した
「集中しな、もしヤツを仕留め損なったr」
「それはこっちのセリフだグロリオサ、俺がヤツの頭にぶち当てた後おまえが着ているハキビスの両腕のブレードでかっさばいてGEMを取り出せなかったらおまえの給料差っ引いてもらうからな冗談はその胸だけにしとけ」
「言ってくれるじゃねぇかこのクソカスザコ犬加齢s」
「おいきたぞ黙れ」
口喧嘩がピタリと止みケルトがスコープに集中する、アイコンが1つレンズに付き今回の目標の姿が現れた、
岩の隙間から現れたのは巨大なトカゲだった、でっぷりとした黄色のお腹に赤い斑点、頭から尻尾にかけてとさかのような触覚のようなよくわからないものが連なって生えており閉じたり開いたりしている、青い鼻の先端に角が生えそのまま青い模様が大きな目の周りを縁取っている、紫の瞬膜が赤い目を何度も覆っては開きを繰り返している
グロリオサが息をのみ
「私も目視で確認した、資料で確認はしたけど、いや実物はなかなかどうして、、、特に目が」
「見た目はさておきこいつGEM数値凄いぞ、6700カラットだ」
「6700カラット?!さっき確認したときは3500がせいぜいって」
ケルトが笑う、スコープの自動ロックオンはそのトカゲの真っ赤で大きな目に張り付いて記号と数値が出ている、
「コイツすげぇ、いや参ったな、目だよ目、目がGEMで出来てんだ、だからだ、片方のGEMしか測定できなかったんだ、このトカゲ、胸の中にできる典型的なヤジュウクのはずだ、意味わからん、目の色も顔の青い模様もさっきみた資料にはなかった」
「違う種じゃないの?もしくは亜種とか?」
ケルトは考え込みグロリオサとのリンクチャンネルを秘匿に切り替えた
「おいグロリオサ、これ上に報告したら絶対一時撤退と言われるだろ、事前調査報告も資料も実物と食い違ってるからな、そしたらこの気色悪い6700カラットは岩の隙間の奥に入り込み二度と姿を現さない」
グロリオサは、はっと息をのみ
「おいまさか上の判断なしに狩るんじゃねぇだろうな!?そんなのダメに決まってんだろ!リーダーの信頼を裏切る行為だ!」
「よく考えろ、久しぶりの大物カラットだぞ、これを逃したらここまできた燃料費すら払えない、これは俺らのチームのためだ、とっとと狩っちまえば全て丸く収まる、な」
グロリオサは暫く黙っていたがリーダーごめんと呟いた
「その粋だグロリオサ、やつは目がGEMでできている、恐らく視力に特化して進化したモングラドゥの亜種だろう、体型の大きさとGEM数値からみるにスタン弾の電圧の許容範囲内、狩猟可能、カウント3、眉間に一発目ぶちこんだらおまえはあいつの首をはねろ、あとは目玉をくりぬき、おまえの腰に装備してある専用の溶液を付ける、行くぞ」