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駆け抜ける雨音に

作者: 檸檬

久し振りに聞いた激しい雨音

エレキテルに音を響かせる

テレビを消して

雨音だけを聞いてみた朝

その日は昼過ぎまでどしゃ降りだった

身体中に雨音が響き風と共に流れ去って行く

面影揺れ流れていかずに

思いだけが地に降りあなたへと

駆けてゆくように思えた

夕刻には雨が上がっていた

川は茶色の濁流が東へどんぶりと流れ

東の空はまだもやがかかり曇っていた

西をみると洗われたように晴れた空に

青い峰が濃く映えていた

その上に真白な雲海が木綿の道のように

たうたうと広がっていた

潮騒に忘れていた

夏への想いが少し新しく光っている気がした

アジサイの花弁に散らばった雨粒たちも

ひとつになって光っていた

(あぁもう、これで、いいんだ)

そんな風に自然と思えた

風がどんな詩をうたえばいいかなんて

考えなくていいんだよと言う

あの人みたいだった

今日は良く眠れそうだよ

眠りの森へ流れてゆく星々の舟に

あなたと乗ってゆきたい

緑の葉は夜に溶け込み花だけが浮き上がる

群青に浮かぶ紫陽花達が樹海を虹色に染める

どうか虹の麓へいざなってほしい

眠りの森で彷徨う星よ友よ 

蝶の瞬きのように

何ものにも囚われることなく

羽を休ませて雨粒に優しく笑えるように




 




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