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[連載]転生した俺は誰だ?  作者: Re:vi
第1章 終点ウィットネス編
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1-92章 同族嫌悪

それから5年間、俺はひたすら親父に魔法の稽古を暇なときはつけてもらっては、親父がいないときは日課の魔獣狩りをやっていた。魔獣狩りの際に必要になった魔法や、疑問に思ったことは親父に相談をしていた。それから、俺があの時発言したギフトは、「蠍梢斑(デクゾディーア)」と呼ばれるもので、触れたものを猛毒状態にするギフトらしい。ムカつくことに親父は魔法の腕は確かで、何度かサシで勝負を挑んだことがあるが、全く勝てるビジョンが見えなかった。親父は伊達にバルセルク魔法学校で教師をやっていないというわけだった。そんなある日、親父と俺で魔法の稽古中に、ふと親父がこんなことを漏らした。


「最近、マクダニエル家とウィットネスの代表の方でもめ事があったんだ」


「ふーん」


親父が稽古中どころか、普段も魔法以外のことはあまりしゃべらない。だから、ルーラルどころか隣の村のウィットネスのことを話をするなんて俺は思ってもいなかった。


「マクダニエルの旦那がウィットネスの代表ともめたみたいなんだ」


「まあ、あそこの親子はそろって魔法至上主義だからな」


マクダニエルの息子のライアーとかいうやつが、ルーラルに来ては「俺の魔法に勝てる奴はいないか」、とか吹聴していたから、通りすがりに軽く締めてやったことがあるが、あいつはやっぱり自分より劣ってる雑魚狩りが好きならしい。その趣味は否定しないが、俺より魔法ができてからやれよ、とは常々思っていた。


「そこで俺が先方と話し合って魔法交流会という催しを開くことになったんだ」


「へえ?親父、そういうの好きだったんだ?てっきり実技こそが魔法のすべてだとか思ってると思ってた」


「否定はしないが、魔法は便利で覚えていて損のないものだ。幸いというか、ルーラルもウィットネスも魔法をできる子供は少ないからちょうどいい機会だと思ったんだ」


「で?それが俺となんか関係あるの?」


話の見えてこない話に俺は苛立ち、頭をかきむしる。親父は自身の白い歯をニッと輝かせると、


「あの大魔法師ガジャ先生が弟子のバルセルク魔法学校の志望者が3人もいたんだ。お前も興味あるだろ?」


その話は、顔には出さないが俺はもちろん興味があった。大魔法師「ガジャ」は、親父に限らず、バルセルク魔法学校では知らない人はいないほどの有名人物らしい。何でかはわからないが、なんでも昨今の魔法至上主義をいい意味でも悪い意味でも加速させた張本人であるらしい。


「俺もちょくちょくその子らの様子を見に行っているんだが、みんなとても魔法の扱いが上手だ。さすが先生の指導の賜物、と言った感じだな」


「まあ、俺の方が強いだろうけどな」


俺は自身の魔法には絶対の自信があった。それは日々の血のにじむような努力とそれに裏打ちされた経験が自分の中にあるとわかっているからだ。


「特にサトル君という子がいるんだがな?彼は間違いなく化けると思うんだ」


親父が自分や他人含め、人のことをほめるなんて珍しかった。それこそ、かの大魔法師以外は手放しで誰かをほめてることを見たことがなかった。


「どんなところがすごいんだ?」


俺は何となく、その「サトル」とかいうやつに興味があったから、親父がそいつを気になる理由を聞いてみた。すると、


「それは、お前と同じ目をしていたからだよ」


「...は?」


俺はいったい何を言われているか全くわけがわからなかった。


「『魔法』というただ一つのことに対して、貪欲で、誠実に、だれよりも努力をする。魔法で一番大事なのは"情熱"だ。彼はその闘志を静かに心の中で燃やしている」


親父は静かに自分の心臓に手を当てる。親父の魔法で一番大切なことが""情熱なんて驚きだ。てっきり"実力"とでもいうのかと思った。それに、俺と同じで魔法に対して、まじめに努力しているなんて、


「俺は、そいつと仲良くできそうにないな」


そいつの気持ちが俺にもなんとなくわかる気持ちがして、だれにも聞こえない声でそう囁いた。

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