1-72章 魔法交流会その16
受付をしてしばらくすると、広場のほうに参加者の張り紙がなされていた。参加者は俺とマリン、トンプ、ルークの名前を見つけることができ、残りの3人の名前は見たことがないため、飛び込みで参加をしてくれた子であろう。7人のため一人シード枠を決める案内をされたため集まってきたが、
「あのいけすかノッポ、来てないじゃない」
「いけすかノッポって...」
「全くあいつは何をやってるんだか...」
マリンが言っているのは招集がかかっているのに来ないルークのことだろう。シード権がいらないのか、はたまた案内が聞こえていないのかわからないが、この展開にはさすがのリックも頭を抱えていた。
「彼なら大丈夫でしょう。シード権がなくとも勝ち上がれるほどの実力を持っているでしょうし」
「いやしかし...」
ガジャの申し出をリックは否定しようとしたが、彼はわなわなと首を振ると、
「いや、あいつを待ってもしょうがないのでさっさと始めてしまいましょう」
諦めたようにリックはため息をついて、机に手を置いた。確かにこの感じだと家での苦労も絶えないだろうと勝手に俺は想像してしまった。
「というか君も参加するんだね」
ルークのことで忘れていたが、参加者のリストの中にはトンプの名前もあり、彼もここに集まっていた。
「何だ。悪いのかよ」
「いや悪いというか、意外というか...」
思ったことをそのまま言ってみたが彼の起源はなぜかすこぶる悪そうだった。ルークのせいで待たされているのが苦痛なのかもしれない。右足で小刻みに貧乏ゆすりをしているのがいい証拠だ。
「お前たち3人で参加してるのか?」
いきなりトンプに質問されて面食らったが、3人っていうのは俺とペティーとマリンのことを言ってるのか?
「ペティーなら参加してないわよ」
横で話を聞いていたのか、マリンが俺に代わってトンプの質問に答えた。
「ペティー...さんは出ないのか」
彼はバツが悪そうに顔をしかめると、彼の貧乏ゆすりはさらに加速した。
「それではくじ引きをするのでくじを引いてください」
そうしてここに集まる6人がそれぞれ1票ずつくじを引いた。丸が書かれている紙がシード権獲得の証らしい。果たして結果はいかに...
「...はずれだ」
一抹の期待を持って紙を開けてみたが、順当と言っていいのか、俺の紙は真っ白で何も書かれていなかった。マリンも同様で真っ白の紙をこちらに見せてきた。
「...俺か」
ぼそっとつぶやいたのはトンプで、彼の引いた紙には大きく丸が書かれていた。リックはその紙を受け取ると、
「よし、じゃあ君がシード権ということで組み分けをするから、もうしばらく待っていてね」
集まった6人にそう告げると俺たちは各自準備しておくように言われ、その場で解散した。
「シードだからって優勝しても文句言うなよ」
トンプはそう言葉を吐き捨てると、スタスタと遠くへ歩いて行ってしまった。
「シードだからってグチグチ言ったりしないわよ。どうせ勝つのはあたしだし」
確かにルークの実力は未知数だが、暫定ではマリンも十分に優勝候補の一角だろう。俺もマリンをはじめに、自分の魔法がどれほど通用するのか試すのにいい機会だと思っている。
「あ、そうだ。ちょっとリックに話があるから先行っててくれ」
俺はマリンにそういうと、リックがいるであろうテントに歩いて行った。少し気になることがあるのでガジャに聞いておこうと思っていたところなのだ。




