1-62章 魔法交流会その6
「うまくいったな、俺たちの作戦」
「ええ、そうね」
インターバル中は、あたしたちはすでに商社の余韻を味わっていた。1回目はサトルたちとの差はまあまああり、このままいけば、あたしたちが勝利をすることができるだろう。ペティーのほうは、と思い、少し背伸びをしてペティーチームの籠を見る。
「...ペティー、頑張れ」
あたしは心の中でペティーのことを応援した。あの子のことだからまた、ひどく落ち込んでいるのかもしれない。そしたら、おいしいものでも食べて、お姉さんとしてあたしが慰めてあげなくちゃ。
「でも、さすがに隣のチームは何か対策してくるんじゃないか」
「っと、そうね」
ペティーのことも心配だけど今は目の前の試合に集中しなくちゃ。なにやらサトルたちは、円陣を組んでなにやら作戦会議をしているらしい。
「まあ、どんな作戦でもあたしたちが負けるわけはないけどね」
他チームの妨害ができるようなルールでもないし、今から即席で作戦を立てられるほど子供たちの魔法の吸収は速くないはず。あたしはそうにらんでいる。
「それでは今から2回目の玉入れを始める。全員位置について」
リバースさんの号令が聞こえたので、私たちも位置につく。あたしたちはさっきと同じように等間隔に陣取って配置につく。
「おい、なんだあの配置?」
近くの子が少しおかしそうにサトルたちのチームを指さす。あたしもそっちを見ると、サトルたちはどういうことか、二人一組のチームを等間隔に作っていた。あれでは、魔法初心者の人たちでは魔力が衝突して、うまくいくはずがないとあたしは思っていた。
「2回目は見ものね...」
そして、全員が一につくとリックさんは右手をあげる。
「それじゃあ、位置について。よーいスタート!!」
2回目の試合が始まった。サトルたちのチームは何をやるのかと思っていたが、あたしは目を見張った。
「くそ、確かに魔法初心者ならそっちの方がやりやすいかもしれない...」
あたしは、サトルの器用さにまたしてもしてやられた。
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「それで、作戦っていうのは?」
男の子が一人こそこそと俺に話しかける。
「作戦というほどのことでもない簡単なことだよ」
俺はそう前置きすると近くに落ちていた枝を拾ってきて、地面に簡単な平面図を書く。
「まずは、2人1組でバディを作る。そして、片方はボールを浮かせる役。そしてもう一人がボールを動かす役。できれば、動かす役の人は魔法を使うのが上手な人がいいな。それで、球を浮かせてはいれる。これを繰り返すだけだ」
「確かに分かりやすいけど、本当にそれでいけるのか?」
「確かに単純すぎて不安になるかもしれない。でも、魔法を難しく考えすぎないでほしい。みんなも最初は歩くこととしゃべることは同時にはできなかったと思うんだ。でも、お母さんが手を取って歩かせてくれたら、しゃべりながらも歩けたはずなんだ。もっと簡単に言うと」
俺は、枝を半分に割って片方を捨てて、片方をみんなに見えるように持ち上げる。
「人間っていうのは一つのことに集中するのがとても得意なんだ」
俺は左手で、枝を浮かせて右手でそれを動かして見せた。




