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[連載]転生した俺は誰だ?  作者: Re:vi
第1章 終点ウィットネス編
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1-49章 微光

「そのことについて、みなさんの耳に入れておきたいことがあるのです」


急に改まった態度のリックに、俺たちの間で緊張が走る。俺たちがバルセルクを目指すことと何か関係があるのだろうか?話の先が見えなくて、むずむずするがここは我慢するしかない。


「皆さんはバルセルク魔法学校の唯一の入学条件をご存じですよね?」


「ギフトを持っていること、じゃろ。それがどうしたんじゃ」


食い気味にガジャがリックに応える。声音から、ガジャがこの話題を嫌がっているような雰囲気を感じる。それをリックも感じとったのか、「いえ、これからする話はそんなに悪いものではないですよ」と前置きをする。


「今から15年ほど前になりますか...わが校の入学試験でギフトの詐称事件が起こりました。このようなことは多くはありませんが、10年に1度ほどで起きるので、そこまで我々も驚きませんでした。問題は、彼の試験での成績でした」


皆の視線が、すべてリックのほうに集まっているのがわかる。リックはそんなことを気にも留めず話を続ける。


「彼の成績は、筆記試験満点。実技試験満点という前代未聞の点数をたたき出しました。これは学校始まって以来の大事件でした」


彼は胸元のネクタイの位置をいじり、目の前のお茶を一口すすった。


「ギフトを持っていないものが、ギフトを持っている者より優秀である。そんなことはあってはならない。これが上層部の大多数の意見でした。しかし、成績開示もすでに終わっており、筆記実技ともに満点の生徒を落とすとなると、それなりの理由が必要となることもまた事実です」


ふー、とリバースは息を吐くと手を前に組んでテーブルの上に乗っける。窓辺に小鳥が座っていて、ちゅんちゅんと鳴いているのが聞こえる。


「そこで現総長が考えた政策として、ギフトを持っていない子でも優秀なものであれば受け入れる、「特別枠制度」というものがその年から導入されました。この制度のおかげで、ギフトを持っていない子でも優秀であればバルセルク魔法学校で学ぶことができるということです」


「...その話は、本当なのか?」


ガジャの声は、その話を本当に知らなくて、嬉しかったのか少し上ずっていた。ガジャの反応を見て、リバースは意外だったのか、少しだけ口元を緩めた。


「ええ、本当ですよ。実際この子たちの話を聞くまで先生はこの話を知っていると思っていたので」


リックは、ガジャのほうに顔を向けてうんうんとうなずいていた。ギフトがない子でもバルセルク魔法学校を目指すことができる...それってつまり...


「わ...私も!!」


ペティーが突然大きな声を出す。この場にいる全員がペティーの大声に目を丸くする。しかし、リックだけは立ち上がったペティーの目をしっかりと見据えていた。


「バルセルク魔法学校を...目指してもいいんですか?」


ペティーは、ボロボロと涙を流しながらリバースに言った。窓辺から指す太陽に雲がさしたのか、リバースの目線が陰になって見えなくなる。しばらく彼は黙っていたが、すぐに目元を緩めた。


「チャンスは平等に。評価は公平に。子供は夢と希望をもって、なりたい自分を目指していいんだよ」


リックはテーブルから身を乗り出して、ペティーの頬を伝う涙を手で拭った。彼はもう一度ペティーに向かって柔らかく微笑んだ。


「やったー!!やったよペティー!!」


「おわあ!?」


すると直後にマリンが、ペティーに向かって思いっきりハグをする。勢いあまって2次災害的にペティーが態勢を崩して、俺のほうにまで倒れこんでくる。


「私たち3人でバルセルクを目指せるんだよ!!」


マリンは今の話を本人よりも喜んでいるのか、人目もはばからず大はしゃぎしていた。俺はなんとか上に倒れこんだ二人の間から抜けだしてペティーに向きなおる。


「ペティー、おめでとう」


「うん、ありがとうサトル君。私これからもっと頑張るね」


自然に祝福の言葉が出て、無意識にペティーと話すことができた。今まで思い悩んでいたことが嘘のように話すことができたのが何よりもうれしくて、俺も自然と涙がこぼれてきた。リックとガジャもその光景をほほえましく見ている中、ローランは、


「お、俺も魔法の練習してみようかな」


とこの場の話についていけてないようだった。

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