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[連載]転生した俺は誰だ?  作者: Re:vi
第1章 終点ウィットネス編
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1-44章 熱

「おたくらの子供たちはどんなギフトを持っているのかね?」


頭の中で熱がチリチリと音を立てている。俺は何を焦っているのか、自分でもわからない。いや、分かろうとしていないだけなのかもしれない。この質問にどんな意図があって相手が何をしたいかなんて火を見るよりも明らかだった。俺はその質問に沈黙という形でしか答えられない。


「僕はこの年にしてパチュリ家に伝わる飛翔(バードブレイド)を授かり、とっくに自分のものしてるんだ。お前らみたいな才能がない人間とはレベルが違うんだよ!!...おっと赤い髪の女。お前は俺と同じでギフトを持ってるんだな。そこだけは褒めてやるよ」


ライアーはマリンの首元にあるタトゥーを見たのか、マリンに向かって上から目線な態度をとる。マリンは目の前に置かれたお茶を一口飲むだけで何も言わない。反応を示さないマリンに不服だったのか、ライアーは前のめりになって、


「おい、何とか言ったらどうだ!パチュリ家の次代領主の顔を見て怖気づいたわけじゃないよな!?」


鼻息を立てながらライアーは興奮気味にマリンに食って掛かる。マリンは自分の髪の先端をいじりながらライアーの態度にどこ吹く風の態度をとっている。ライアーは一つ軽く舌打ちをすると、俺とペティーを交互に見る。


「お前らはどうなんだよ。ギフトを持っているのか?」


俺はなるべく平静を保とうと、表情を崩さないように意識する。だが実際はこんなくだらない質問よりも俺は恐れていることがあった。俺はちらとマリン越しにペティーの様子を見る。角度的にペティーの表情は読めなかったが、ペティーが両手を膝の上にのっけて小刻みに震えていることが分かった。それを見たライアーはニヤッと不快な笑みをペティーに向ける。


「あれー?お前はどうやらギフトをもっていないのかなー?顔に書いてあるぞ、ギフトも持っていないの、無能ですってw」


何がおかしいのか、直後にライアーは腹を抱えて大笑いをする。父であるピーターは息子の行動を特に止めようともせず優雅にお茶飲んでいる。


「あの超優秀な魔術師であるガジャさんの娘ともあろう奴がギフトすら持ってないとか、とんだ恥さらしだなwww生きてて死にたいとか思わないの?」


「てめえ、さっきから黙って聞いてたら...」


ガンと自分の前の机を蹴ったのは今まで静観していたマリンだった。さっきまで全くの無関心を示していた彼女の目は今では、大事な友達を傷付けられた怒りで赤く透き通った目が爛々と光っている。かく言う俺も口には出さなかったが、今の発言は到底許しがたいものだった。この行動に少し驚いたのか、ライアーは一瞬だけ黙ったが、マリンが口を開いたのが嬉しかったのか、


「なんだ腰抜け。友達が傷つけられたから口を開いたのか?」


「ちげーよ三下。今時ギフトのあるなしで差別するなんてとんだ腐れ脳だ、って言ってんだよ。飛ぶことしか能のない鳥頭が」


「なんとでも言えよ性悪女。ギフトをもってない無能なのが悪いんだよ。ギフトを持ってないやつが僕の家にいるだけでも悪寒が止まらない。さっさと家に帰ってママのおっぱいでも吸ってろwあ、お前にママはいないのかw」


その瞬間、俺とマリンは感情の波が決壊したのだろう。周りの魔力が急速に膨れ上がっていることが分かる。マリン手の中からは膨大な量の赤い炎が火を上げている。俺も手の中で水の玉のイメージを作り手の中で作る。なるべく目の前のゴミが速攻で消し炭になるように。なるべく大きく。自分の最大の魔法で。


「死ね」


「失せろ」


俺たちは何のためらいもなく、魔法を目の前の相手に放つ。マリンに対して魔法を放つのにはあんなに躊躇したのに目の前のごみには何のためらいもなかった。


その瞬間、ドンととてつもない音が部屋中に響くと、一瞬にして俺たちの魔力が霧散して消えてしまった。誰がやったのかはわからないが俺とマリンはその摩訶不思議な超常現象にあっけにとられていた。あたりは静寂に包まれ、1秒、2秒と経過する。「...の」とか細い声が聞こえてくる。


「もう...いいの」


ペティーは何とか絞り出したように声を発する。そしてここまで特にアクションを起こさなかったガジャがさっと立ち上がる。


「じゃあ今日はお開きとしよう。お互い少し頭を冷やした方がよさそうじゃな」


心なしか明るい口調でガジャは目の前の二人に言う。ライアーとピーターは目の前で起きた出来事が理解できないのか、終始目を丸くしていた。「いくぞ」と俺たちに声をかけると、俺たちはソファから立ち上がる。マリンがペティーをたたせてあげると俺たちはドアの方に向かう。ガジャは気を使ってか俺たちを先に退出させるように促す。俺たちが出た後にガジャは2人に振り返り、「ああ、それと,,,」とドアノブに手をかけたまま言うと、


「魔法交流会は行います。しかし、ウィットネスで行い、あなた方はウィットネスを出禁にします。無論、家庭教師の話もなしで」


「ちょ,,,」と呼び止めようとする声を聞かずにガジャは扉を強くしめた。何事かと廊下にいた使用人の何人かがこちらを見る。


「さあ、帰ろうか」


ガジャはそれだけ言うと俺たちに背を向けて足早に歩きだした。

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