1-41章 オボレルサイノウ
ガジャを先頭にして、俺たちはルーラル村に歩いている道中、ペティーとマリンは俺にルーラル村についていろいろと教えてくれた。「そんなことも知らないの?」と馬鹿にされたときは、また喧嘩になりそうだったけど、なんとか自制心をもってこらえた。
ルーラル村はこの近辺の村だと一番栄えている村で、総人口はウィットネスの10倍はいると言われているらしい。まあそれほどの数の人がいれば、魔法交流会を開催するほどの場所を確保できるのもうなずける。そして、この村がこれほど栄えている理由はいくつかあるが、大きな要因の一つは、マクダニエル家の代々伝わるギフトであるらしい。都会に行けばギフト持ちも少しは多くいるらしいが、ここら辺の辺鄙な村では、相伝のギフトを除けばギフトを持っている人なんてほとんどいないそうなのだ。そんな貴重なギフト使いであるピーター・パチュリの息子、ライアー・パチュリも今回の魔法交流会に参加するらしい。
「彼はどんなギフトを持っているの?」
俺は、先頭に立って黙々と歩を進めるガジャに尋ねた。歩いたままガジャは振り返ると、
「聞いた話だと、彼が持っているのは飛翔と一般に呼ばれているギフトじゃ」
「飛翔ねー...」
ガジャの説明にマリンは苦虫をつぶしたように、「うえー」と顔をゆがませている。ペティーも特にコメントはしてないが、やや苦笑いと言った感じか。
「なんだ?何か問題があるのか?」
俺は二人に詳細を聞くべく、微妙な反応の理由を訪ねた。
「飛翔は上級魔法の一つである飛行魔法とほとんど同じのギフトなの。子供のうちから上級魔法を使える人はほとんどいないから、私たちぐらいの時は自慢の種になるけど、少なくてもバルセルクに通う人は、ほとんど卒業までに飛行魔法を使えるようになるから、今のうちだけしか自慢できないいわゆる汎用ギフトなの」
「それなのに自分は優秀だ、とか思っちゃってるそいつは頭お花畑って感じね。まさに袋のカエル、解体を知らずね!」
「それを言うなら井の中の蛙大海を知らず、ね」
俺がこの前教えたてのことわざを早速使ってるが、微妙にいろいろ間違っているので訂正しておく。しかし、そこまで天狗になれるのはやはり周りにギフト持ちがいないからなのだろうか。
「まあしかし、代々の英才教育のおかげで周りの子供たちより優秀であることには変わりない。少し上から目線なのが問題じゃがな」
うちの村の村長の息子もそんな感じだが、あいつより聞いた感じ魔法の使い方もうまそうだから余計たちが悪いのかもしれない。
「それよりどこからガジャのことが出回ったんだろう?俺たちが知らないだけでガジャて有名人なの?」
家庭教師的な役割をお願いするために今回の魔法交流会にウィットネスも加えたらしいのだが、ガジャについての情報の出どころはどこからなのか俺にはわからなかった。
「いや、そんなに有名人じゃないわい。漏れるとすれば、バルセルクにいた時の奴がわしのことについて話したのかもしれんな。それでも、ウィットネスにいることはほとんどだれにも言っとらんはずじゃが」
ガジャも自分がウィットネスにいることを誰が言ったのか心当たりはないらしい。
「まあ特別困るわけでもないが、面倒なことになっとるのは確かじゃな」
先方の様子やガジャの毎日疲れて帰ってくる様子を見る感じ、その思いはひしひしと伝わってくる。
「さて、着いたぞ。ここがルーラルじゃ」
ルーラルに着くなり、村の入り口には二人の執事の服を着た男が二人華麗なたたずまいで立っていた。
「こんにちは、ルーラル村に御用がありましたら何なりとお申し付けください」
二人の男は一糸乱れぬ口調で声をそろえてそう言うと、温かく俺達を向かい入れた。




