1-27章 恋バナ
「あんたの背中にある刺青、つまりサトルのギフトについてよ」
俺は一瞬言われた意味が分からず、ただマリンのほうを見て唖然としていた。俺がギフトを持っている?でもそれって...
「ちょ、ちょっと待ってくれよ。俺はギフトのことについて自分の身で心当たりのあることはない!何かの間違いじゃないか?」
「いや、ちゃんとあんたの背中には黒い刺青が入っているわ。でも...これがどういった意味を持っているのかは私にはわからないけど」
マリンは湯船から出ると、シャワーを使って自分の体を洗い始めた。
「もしかして、ペティーにギフトのことを隠しているわけじゃないわよね?」
マリンは肩までかかるセミロングの髪を丁寧にシャンプーで洗っている。
「そんなわけない!ギフトのことについてあれだけ悩んでいたのに、わざわざ言わずにいるなんて俺にはできない。知ってたら迷うと思うけど多分言っていたと思うよ」
俺は、何とか勘違いを正そうと浴槽から立ち上がる。横目で会話していたマリンは思わず目を丸くする。
「ちょ、ちょっと熱くなりすぎよ!お、落ち着いて話しましょ」
「あ...ああごめん」
俺は冷静になるために一度大きく深呼吸する。マリンは風呂に長く入っているのか少し頬が紅色に染まっていた。
「とにかく、あんたがペティーを見下すためにわざわざギフト持ちを隠してたわけじゃないのね」
マリンはリンスを済ませると体も洗い始めた。マリンの体は意識してみると色白で小柄でとてもかわいらしい体型をしている。しかし、そこに不純物と言えるような首柄にワンポイントである花柄のタトゥーが異彩を放っている。
「そういうことだ。俺も...なんか悪かった」
「気づいてないならしょうがないわ。私も疑って悪かったわ。ペティーとガジャの話を聞く感じ、そんな性悪にも思えなかったから一応何でか聞いてみただけだけど、単に知らなかっただけなのね」
マリンは体の泡とリンスを流し終えると、また俺の隣に入ってくる。「そんなことより、」と話を切り出すと、
「あんた、ペティーのことが好きでしょ?」
俺は突然のことに顔を赤面させてしまう。俺は取り繕うように、
「いや、そんなことはない。ちょっと...気になっているだけだ」
俺は態度をごまかすために、浴槽から出て体を洗い始める。
「大丈夫よ。多分ペティーもあんたのこと好きだから」
「え!?」
俺はつい手を止めて、マリンのほうをガン見してしまう。
「何?気づいてなかったの?男ってホント鈍感ね」
マリンは自分の髪を右肩にかけて、自分の髪をいじくっている。ペティーが俺のことを好きなんてかけらも想像なんてしてなかった。
「でも、まだその時じゃないわ」
マリンは浴槽から立ち上がると扉のほうへと足を運ぶ。マリンの体は湯につかっていたからかほんのりと赤くなっていた。
「ペティーは臆病だから、きっと恋愛も奥手だと思うわ。だから、あんたがペティーになんかかっこいい所見せてそのまま告ればあの子もイチコロよ」
俺のほうに向けて、手で銃の形を作ってバキューンと銃を撃つ仕草をする。
「なるほど。なんかイベントみたいなのあってそこで活躍すればいけるか」
「そうね。そんな都合のいいことがあればいいけど。明日もガジャさんのところへ行くんでしょ。あたしもあの人から魔法のことを教わりたいからついて言ってもいい?」
俺は首を縦に振ると、マリンは満足そうに笑った。
「あんた、なかなか面白いじゃん。あたしの良き友人としてこれからよろしく。」
そういってマリンはお風呂場から出て行った。俺はそのあと、体を洗って風呂に浸かって十分な時間がたってから風呂場を出た。女の子と女の子についての話をした後だとどうしても意識してしまうことが多かったからだ。




