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[連載]転生した俺は誰だ?  作者: Re:vi
第2章 バルセルク魔法学校入学試験編
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2-46章 実力主義者

「リリーネはどうしたんだ?途中ではぐれたのか?」


ダンクは手に持った水をごくごくと飲んでいる。ダンクの水はもう親指一個分ほどしか残っていなかった。


魔力人形(マジックパペット)を見つけたんだが、何やかんやではぐれた」


「その傷も関係あるのか?」


ダンクは俺の肩に巻かれている布切れを見てそう言った。


「魔物と遭遇して。俺に注意を引き付けてリリーネに魔力人形を取らせた。クリッピーがいるからあとで合流できると思ってそのまま分かれた」


「なるほどな」


時刻は正午を過ぎ、太陽が気持ち西に沈み始めかけている。俺の額から流れ出た汗は、頬を伝い顎まで流れ落ち、地面へと落ちる。


「マリンたちはどうだったんだ?何か収穫はあったか?」


「あたしたちは全然。二人とも魔力探知はめちゃくちゃ得意ではないから探すのには苦労するのよ」


こっちにはクリッピーがいたから微弱な魔力も検知できたものだが、出力の弱い魔力人形を探知するのはなかなか難しい。人海戦術でもできればその点も何とかなるのだが。


「おかげで体力だけ消耗してこっちも疲れた。ここらで少し休憩しないか?」


そしてダンクは目の前の少し開けた場所を指さす。そこにはまるで備え付けであるかのように横に長い切り株が地面に立っている。まさに俺たちにうってつけの休憩スポットだった。


「やったー!やっと座れるわ!」


そう言ってマリンは一番乗りで目の前の切り株に飛びついた。遅れて俺たちも切り株の上に腰を落ち着けた。天然であるのか少し傾いているのが座り心地に影響するが、問題なく休めるものだった。


「そういえば、あんたってどこから来たの?お互い自分たちの話全然してなくない?」


「確かに俺もダンクとそんな話はしてないな」


初日からダンクとは一緒に生活をしてきたが、お互いのプライベートな話はまだしたことがない。まあ、そんな余裕がないほどの激動の2日間だったんだが。


「俺か?俺はローリングって小さい町の出身だ?知ってるか?」


「いや、知らないわね」


「じゃあ、ラニア大陸大学卒業生って言ったら驚くか?」


「えー!?ラニア大陸大学!?」


お手本のような大声でマリンは驚くが、慌ててマリンは自分の口を押えた。


「そんなに有名なのか?」


「あったり前じゃない!バルセルク魔法学校とは対極をなすこの世で最も有名な学校の一つよ。"魔法"で名をあげたいならバルセルク、"学問"で名をあげたいならラニアって言葉があるくらいなんだから!」


あまりの勢いの良さに俺は若干押され気味だが、ダンクはそこの卒業生であるほどのエリートなのだろう。日本でいう東〇大〇みたいなものだろうか。


「そんなエリートが何だってこんな南の僻地でもう一回学校に入ろうとしてるんだ」


そこまでのエリートなら、今から魔法を学び直さなくても学力でいくらでも雇ってもらったり、事業を立ち上げたりできただろう。なのになぜ、バルセルク魔法学校に受験したのか。


「自分を変えたかったからだ」


端的に結論を述べたダンクの表情はいつになく真剣だった。俺とマリンもダンクの話に耳を傾ける。


「確かにラニア大陸大学の卒業生は皆優秀だ。でも、優秀なだけじゃこの世界では生きていけない。俺は今まで学力に必要のないものはすべて切り捨てて生きてきた。それがずっと正しいと思ってたからだ。でも、社会に出れば頭のよさよりも大切なものがたくさんあることに気づいた」


この試験からダンクの頭のよさとか、機転の利き方のようなものは節々に感じてはいたが、それは元来の地頭の良さから来ていたものだったのだろう。


「俺のことはとりあえずこんなもんでいいだろう。お前たちのことも話してくれよ」


「俺たちはウィットネスっていう南東付近にある村の出身だ」


「そこでガジャさんっていうめちゃくちゃすごい人に魔法を教わっていたんだから!」


自分のことであるかのようにマリンは自慢げにガジャのことについて話す。


「なるほど...道理でお前らは優秀なわけだ」


「優秀...? 」


確かにガジャが有名な魔法師であることはすでに知っていたが、それで俺たちまで優秀であるとは限らないのではないか。現に俺はペティーやマリンほど魔法の扱いは上手ではない。


「さ、休憩も終わったし、リリーネを探そうぜ。今頃あっちも俺らを探してるといいんだけどな」


出発だというのにダンクは懐から煙草を出し、火をつけるとフッと真上に白い息を吐いた。



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