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[連載]転生した俺は誰だ?  作者: Re:vi
第2章 バルセルク魔法学校入学試験編
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2-26章 絶望はお前の中に

その後、水着に着替え終わった受験者は、一同そろって海岸沿いに並んだ。このままジャンヌの合図をもって試験が開始されるようだ。


「それじゃあ位置について。よーいドン!!」


何とも気の抜けるような声でジャンヌが開始の合図を出す。皆魔法を使って一斉に遠くにある目標のフラグを目指して一斉にスタートを切る。そんなバルセルク魔法学校受験者たちの中でも群を抜いて早く、魔法を使う者たちもいた。


「あんたらには負けないぜ!!」


「ぼぼむどごろだ!!」


「...」


男勝りした豪快な口調をした成長の著しい胸を豪快に強調した水着をつけている女の一人がそういう。無口な男は飛行魔法を、女は水をうまくいなしながら波を利用してぐんぐんと前へ進んでいく。そして、そんな華麗にゴールを目指す者たちとは対極に魔法師らしからぬただの泳力で彼らと張り合うものもいた。


「ダンクってやっぱり化け物だったんだな...」


俺は半ば呆れ気味な目線で俺の視線の先で、ひたすらに泳いでいくダンクを眺めている。なぜ魔法を使わずに泳いでいるのか。彼には魔法なんて必要ないのではないか。と言わんばかりの泳ぎっぷりに早くも決着がつきそうな水泳対決を砂浜から眺めていた。


「君、ちょっといいかな」


俺がボーっと眺めていると、後ろから聞き覚えのある声がかけられる。俺が振り向くと、そこには白い髪をした気品のある女性が立っていた。俺はそれに気を取られていると、横から不意な衝撃が俺を襲う。


「おわあ?」


俺はその衝撃の源に視線を向ける。そこには俺の身長より少し大きいくらいの巨体が俺の顔をぺろぺろとなめている。俺は何とか起き上がろうとするが、目の前の白い動物の力が思ったより強く、なかなか起き上がれない。


「クリッピー、その人から離れなさい」


その女がそういうと、白い獣は主人である彼女のもとへと帰っていく。鬱蒼とした森の中で気が付かなかったが。その獣の鼻先には少しだが角のようなものが生えている。


「ごめんなさい。この子には悪気がないから許してちょうだい」


「いや、そんなことより、君って...」


俺は彼女を見上げる形でその長い髪を優雅に払う彼女を見る。


「昨日は唐突の出会いで自己紹介もまだだったわね。私の名前はリリーネ。君たちがいるかもと思ってついでに来てみたものだが、すでに始まっているみたいだな」


昨日ダンクと偶然にも遭遇した最初にペティーの行方の聞き込みを行った女性、リリーネは手で日差しを遮りながら、遠くで行われている水泳大会の行方を見ている。どうやら彼女もチップのためにこのミッションに参加しようと思ったらしいが、どうやらタイミングを逃したらしい。


「それで俺たちに用があるっていうのは...」


彼女は俺たちに用があるついでにここに来たと言っていた。昨日の会話関連で俺たちに伝えておきたいことがあったのか。


「単刀直入に伝える。君たちの探し人を今朝、私は発見した」


彼女の言葉はペティーとマリンに関する話だった。俺は真剣に彼女の話に耳を傾ける。


「見つけたはいいものの、事態が事態でな。君たちがいる可能性が一番高いのがここだと思ってここに足を運んだんだ」


「事態が事態って、まさか...」


俺は自分が描いていた最悪のケースを頭の中で思い描く。そして、その頭の中の想像通りの言葉を彼女は発した。


「君が言っていた黄色い髪の子の調子があまりよくない。あの調子だと、試験続行はかなり難しいだろう」


俺の中に黒い絶望の感覚が沈んでいくのを感じた。俺はほぼ無意識に立ち上がり、競技が行われている砂浜へと走っていった。

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