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[連載]転生した俺は誰だ?  作者: Re:vi
第2章 バルセルク魔法学校入学試験編
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2-25章 余興

ジャンヌのダルがらみから何とか抜け出して俺は何となく、水平線まで伸びる海を見つめる。陸のほうがかなり暑いせいか、海辺からは涼しい潮風を感じることができる。俺の故郷はこの水平線の向こうにあるとみんなには嘘をついている。いっそ俺はこの向こうにもとの世界があってほしいと願っていた。しかし、見渡す限りのだだっ広い空間が目の前には広がっており、俺の願いは簡単に打ち砕かれる。


「はあ...」


俺は大きなため息をついた。しかし、ネガティブな感情を表に正さないように己を律する。今は未来のことより、目の前の試験に集中しなければならない。俺は砂浜に転がる目に留まった光る石を拾う。俺はそれを海に向かって水切りの要領で投げる。石は5回ほど勢いよくバウンドしたのち、海の中に沈んでいった。


「フフ、あなた面白いことをなさるのですね。私もご一緒してもよろしくて?」


後ろから上品な声音で俺に声をかけてくる女の子の声が聞こえてくる。彼女は自分の真っ白な肌と同じな白い傘を日傘代わりにさし、白を基調とした水玉模様をあしらった控えめなドレスを着ている。しかし、今回の試験の内容とは少し不釣り合いな服装ともいえた。そして彼女の後ろには全身を黒に包んだ執事のような服でたたずむ男性の姿がある。胸元からは白いYシャツが見え、彼もまた目の前の彼女とは違う意味でこの試験と不釣り合いな服装をしている。


「ただの水切りだ。面白いことなんて何もないぞ」


「いえ、私もあなたのを見てやってみたいと思いまして。石は何を選んでいらっしゃたの?」


俺はそういわれたので、水切りに使えそうな平べったい石を彼女に渡す。彼女は俺から石をもらうと、執事のような人をそばにつかせ、彼に傘を渡した。そして、彼女は勢いをつけて思い切り投げた。しかし、彼女の石は俺のようにバウンドせずにそのまま海の中に落ちていった。


「うまくいきませんでしたわ...」


彼女は残念そうに肩を落とした。彼女の石の速さは間違いなく水切りをするには速さが足りず、山なりに投げていたのでうまく水切りができるわけはなかった。


「それじゃうまくいかないよ。こうやって...」


俺は彼女に水切りの初歩的なやり方を教える。俺も別にそこまで詳しくはないが、彼女にそれなりに教えてあげた。


「なるほど...もう一度やってみますわ」


俺のレクチャーを受け、彼女はもう一度海に向かって石を投げた。彼女の石は今度は2回ほどバウンドしたのちに海に落ちた。


「これは...なかなか面白い遊びですわね。よくなさるんですか?」


「いや、久しぶりにやったけど」


久しぶりにやったというのは嘘で、実際には土手を歩いている時にやっている子供たちを昔見たことがあり、それを見よう見まねでやってみようとふと思っただけだ。


「お嬢様、そろそろ...」


「ええ、分かったわ」


後ろに控えていた執事服の男の子がそういうと、彼女は俺の方に向き直った。


「君はこのミッションには出ないのか?」


「ええ、協力してくださっている方が出てくださるので。私の暇つぶしに付き合ってくださりありがとうございました」


彼女は一言礼を言うとそのままその場に立ち去って行った。彼女もこの試験に参加する魔法師志望の子だろう。彼女の気品を漂わせるふるまいと貫禄、彼女もまたダンクと同じような強者だろうと俺は二人の背中を見守った。

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