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行け行け!クレマンティーヌ  作者: 御重スミヲ
49/78

49、対照表


「さて。あ、という音を聞いた時、あなたたちは何を連想しますか?私は(あり)ですね」

 言いながら「あ」と題した列に簡単に蟻の絵を描く。


 それを見て、すぐに反応するサイモン。

「足!」

 さすがは少年、頭がやわらかい。

 そして、新しい遊びを知った時のようなわくわく感はこっちにも伝染する。


 私は、ぱっと思い付いて黒塗りのフットスタンプを描いた。

「あ、すごい、すごいです、クレマンティーヌ。ほんとに足だ」

「ほう」

 感心したように声を上げたマックスも、なんとか答えを出さねばと頭をひねってる。

「……網」

 まあ、これはこれでわるくない。


「では次は、い、です」

「……それ何、なんですか、クレマンティーヌ。岩?」

「芋です。……岩でもいいです」

「ではその岩の枠を私がもらおう」

「それはずるくない?ですか、父上」

「フッ、早い者勝ちだ」

「……いいですよ。う~ん、イカ!」

 サイモン、冴えてる!

 デフォルメした絵も会心の出来栄えだ。


「クレマンティーヌ、本当に絵、上手いよ。いや、上手ですよ」

「ありがとう」

 心から褒めてくれてるのがわかるから、私も素直に礼を言うよ。

 岩のようなジャガイモも描くけどね。


 そんな調子で勢いに乗った私たちは、五十音分の連想ゲームを終えた。

 あっ、あと数字ね。

 いつの間にか一字につき、一人ひとつ案を出すのが暗黙のルールになっていて、頭カチコチの大人にはなかなかつらかったけど。


 その中からサイモンに、自分がいちばんしっくりくるものを選んでもらう。

 ほぼほぼ彼自身が案を出したものになったけど。なんといっても使うのはサイモンだからね。

 それを三枚の薄板に整理。私たちの使う文字との対照表になっている。



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