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行け行け!クレマンティーヌ  作者: 御重スミヲ
43/78

43、帰還


 グリム男爵領の我が家に帰ると、扉の脇にサイモンが立っていた。

 緊張感が隠しきれてないし、その立ち姿も、私たちの降車を待ってした礼もぎこちないけれど、かろうじて形になってる。


「おかえりなさい、父上。おかえりなさい、クレマンティーヌ」

「ああ、いま帰ったぞ」

「ただいま、サイモン。出迎えありがとう」


 いかにも逃げ出したいのを堪えたといった風情で、でも、がんばってる!


「王都はどう……いかがでしたか?」

「うむ。まず、着替えてくるからそれから話そう」

「……すみません。気がつかないで」

「いや、(のど)も乾いている。茶でも飲みながら、お前がどうしていたかも訊きたい。クレマンティーヌはどうだ?」


 お父さん、息子に話しかけられてうっきうき。

 私も、彼にどんな心境の変化があったのか、話してくれるなら聞きたいな。


「そうですね。では、サロンに半時後に集合いたしましょう」

「疲れ、お疲れじゃ、では?」

「大丈夫よ」

「嘘ではない。クレマンティーヌはずっと馬車の中で寝ていた。あれだけの揺れの中、なぜあのように安らかに眠れるのか不思議で仕方ない」

 そりゃあ、満員電車で立って寝るのに比べればね。

「では、半時後に」



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