3.アン
《戦闘勝利、おめでとうございます》
《Soul Swordの成長はステータスから確認出来ます》
《ステータスは、ステータスオープンと唱えるか、ステータスを意識してSoul Swordの柄頭に触れることで開かれます》
初戦闘はあまりに呆気ないものだったが、まぁこんなものだろう。
最初に喚んで一目見たときから分かってはいたが、アンはβのときとほぼそのままの基本性能をしっかりと引き継いでいるようで、レベルこそ下がってはいるがそれでも最初のチュートリアルの敵mobが相手にならないのも当然だろう。
何せ、アンは他でもないこの俺がβ版プレイ期間のほぼ全てを費やして、俺自身の為に直々に生み出した唯一無二の剣なのだから。
しかし、流石に全く同じ性能で引き継がれてはいないだろうから、他のスキル等も確認しておこう。
「ステータスオープン」
──Status──────
《夢紡ぐ無貌の剣》
Level:1
強度:26
補正:1
異能:26
+5points
Skills
太刀筋 (パッシブ)
無貌の剣 (パッシブ)
無謀の一振り (アクティブ)
─────────────
《これがステータス画面です》
《確認したい項目に触れてください》
開かれたウィンドウで色々と確認したが、特に変わったところはなかった。
ステータスについてだが、レベルがその武器の成長段階を数値化したもので、無論この数値が高いほど強いと言っていいだろう。
今となっては俺にとって、レベルは強さの指標でしかないが、FESの初めにはプレイヤー全員に同じ剣──《無銘剣》が与えられていて、これをレベル10にするまでが謂わばお試し期間のようなもので最終チュートリアルだった。それを終えて、初めてムメイは其々の形でオンリーワンに至ったのだ。
そしてβ版では俺のアンも銘付けからレベル10くらいまでは到達していたんだが、これを見るに今回は0からリスタートだったようだ。まぁ、実質オールリセットで初期武器のムメイでのスタートではなかっただけマシだろうか。このゲームの育成システムからして銘の剥奪は殆ど有り得ないだろうから、レベルリセットでのリスタートは妥当なところかもしれない。
ムメイからの銘付けには特殊なイベントがあって、全てのプレイヤーに固有のモノと見てほぼ間違いなさそうだから、もしもランクダウンがあるとすれば相当重いペナルティか、それ自体が相当に特殊なイベントに当たるだろうな。
パラメータの「強度」は、その武器自体の強さ......丈夫さや切れ味等を表す数値だ。この数値が高ければ、それはその武器の攻撃力や破壊力も高いということだな。
逆に、「補正」はプレイヤー自身に掛かる強化で、この数値が高いとプレイヤーの体力が高くなったり、その武器が上手く扱えるようになったりする。が、俺は要らないから無視している。
そして「異能」。これはそれぞれの武器が持つ、或いは成長に伴い発現するスキルに関わってくる数値だ。この数値が高いほど、個性的な武器に成長するようだ。
そしてこれらの数値は初期値が全て1で、レベルアップと共に任意で合計5ずつ増やせる。......つまり俺はムメイ時点のレベル10までで得た全てのポイントである50を、「強度」と「異能」に2極振りしたわけだ。それ以降に獲得していた10レベル分のポイントは、レベルと共にリセットされたようだ。
本当なら、今までやってきたゲームの殆どでそうしてきたように、このゲームでも1点特化のロマンビルドをしたい気持ちもあったが、今までのゲームとは大分求められるものが異なるこのゲームでは2極振りを採用した。この3択なら、要らない補正は捨て一択だし、もし仮に極振りを相手にしても、同格までなら十分どうにでもなるからだ。
そしてスキルの「太刀筋」だが、これはどのSSにも備わっているスキルで、SSの「補正」の値を参照してプレイヤーのモーション及び与ダメージに補正を加えるパッシブスキルだ。FPSゲームでいうエイムアシスト機能のようなもので、これのおかげでリアルの武術は勿論、アクションゲームにも殆ど触れたことの無いような素人でも、開始と同時に即詰んだりはしない程度には戦えるようになる。
しかし、元からPSで補正を必要としない俺のような人種はこの太刀筋や「補正」に割くはずだったリソースを他に回せるということで、このようなアシストに頼ってばかりでは楽しむことは出来ても決してトップには立てないようになっている。
要するにこのゲームは、実力がモノを言う世界なのだ。




