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旅人クロの小さなお話  作者: 真夜中の黒猫
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旅人クロの夢物語

今回はあの人を出すにあたり、性別や性格など、

色々迷って出来たのがこの作品です。

ライトな感じに仕上げてますが、軽い戦闘シーンなども書いてみました。

戦闘を書くのは初めてなので拙いですが、楽しんで頂けましたら幸いです。

「おはようクロ坊、目は覚めた?」


ここはどこだろう…なんだか懐かしいような…?

「懐かしい?何を寝ぼけてるの。早くちゃんと起きる、起きる!」


そうだった、僕は今、お師匠さまと共に北にあるという金鉱の街に行って芸を売りつつ、近郊の野盗狩りに向かう途中、野宿をしてたんだった。

ただお師匠さまはそう呼ぶと、名前で呼んでよ、こそばゆいのよ、そう呼ばれると。

と、嫌がるけど、僕には立派なお師匠さまだ。

芸も武術も全部教えてもらってるんだから。


僕達は大道芸人兼、賞金稼ぎ。

昼間は街の人達に芸を見せる。とは言っても僕はまだ

見せられる程の芸は出来ないから、専ら(もっぱら)助手の役をしてるんだ。


今、1番人気の芸は、僕の両手と頭の上にりんごを乗せてお師匠さまがナイフで同時に射抜くという芸なのだけど、単純なわりにお客さん受けは良いの。

やっぱりスリリングな技だからだと思うけど、お師匠さまが毎晩、ミスをしないように練習してるのを見ちゃったから、全然怖くなんてないんだ。

お師匠さまはそんな人。

いつも影で努力をして、大変なはずなのに、いつも明るい…とっても尊敬出来る人。

僕もいつかお師匠さまみたいになりたいな。


他にも色々な芸を見せ、置いてる帽子にいっぱいの銅貨が溜まったら、今度はお客さんに、最近困った事は無いかと聞くの。

小さな不便な事から盗賊退治まで、お師匠はなんでもする。

それはきっと僕を養うためだと気付いているから申し訳ない気持ちになるけど、お師匠さまはいつも笑って「クロ坊は大事な弟子だからね、細かい事を気にしないの!」って言ってくれる。


そしてその夜、やはりと言うべきか。

金鉱で掘った金を狙って、野盗が襲ってくるのでなんとかして欲しい。

という依頼を受けて夜営をしにきたんだ。

「金鉱から来た奴は金を持ってる」と思われるのを狙って待ち伏せしていると案の定、野盗の群れが押し寄せてきた!1人・2人、全部で8人!


瞬間、お師匠さまの投げナイフが灯りを砕く。

そのまま近くに居た2人の喉にナイフが刺さる!

そして近くに居た野盗を大鎌で1人が2人になる程に切り裂く!

僕も負けじと手にしたレイピアで、混乱している野盗の喉を、胸を穿つ!

残った3人も逃げ出そうとするが、刹那!足音を聞いたお師匠さまの大鎌が音の先を切り裂く!

野盗の首が2つ飛び、残りの1人が動けなくなってるところを、僕がレイピアでトドメを刺した…。


「今夜も私が5人、クロ坊が3人で私の勝ちだね!」

ズルイよお師匠さま、灯りがあるうちに2人も狙うなんて反則だよ。

ふくれる僕に「仕方ないじゃない、私はクロ坊みたいに夜目が効く特異体質じゃないんだから。」


そう、僕の左眼は何故か生まれた時から夜でも昼間のようにはっきりと見えるんだ。

旅をするには最高の能力(ちから)で、重宝してる。

かつては異端として迫害されていたと言われる異能が、今ではちょこちょこ見かける便利な能力なんだ。


「クロ坊、そろそろ眠いでしょう?私が先に見張りをするから、寝てきていいよ。」

と、お師匠さまはいつも僕を気遣ってくれる。

お言葉に甘えて寝ますね、お師匠さま。

「はい、おやすみ。いい夢見てね。」


「クロ、クロ〜、起きてよー!」

う、ん。お師匠さま…?あれ?

「あ、起きた⁈クロー!とっても心配したのー」

ここは…そうか、橋が崩れて落ちちゃったんだった。

なんだかとても懐かしい夢を見たような気がする。

ごめんねファム、心配かけたね。

「んーん、クロが平気なら大丈夫なの」

ありがとう。じゃあ、次の街に行こうか。


あの人に会えたような気がする夢。

今の僕はあの人と同じ事が出来るかな。

僕は旅の用意を新たに終え、傍らにいるファムに微笑みかけた…

いかがでしたでしょうか?

迷いに迷った今回の作品。

アップするかも悩みました。

あの人のサバサバ感が伝わると嬉しいです。

何故、芸もできないクロが戦えるのかって?

旅人として生きる以上、まずは命を守ることが一番なので、あの人は先に武術から教えたのです。

他も荒削りなところもありますが、感想などを聞かせて頂ければ幸いです。

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