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時は流れ、今は六時間目の前の時間。
神咲ちゃんの他にも、間宮 心という女の子とも仲良くなった。
肩までの長さの髪を、いつも片手でいじっている。うっすらと化粧もしていて、明るく元気な性格なので、まさに女子高生といった感じ。
「ねぇねぇ、静と朱音、知ってる? 次の国語の教科担任さ、マジでイケメンらしいよ!」
私たちの所に来て、はしゃぐ間宮ちゃんは、イケメン好きらしく、そういった情報を知り尽くしているのだ。頼めば、私の好きそうなモデルさんや、友達を紹介してくれるそうだ。
「へぇ、そうなんだ。間宮ちゃんは、その先生を狙うの?」
「ふぇ!? そうなんですか、心ちゃん!」
私と神咲ちゃんがそう問いかけると、間宮ちゃんはにんまりと笑う。
「そりゃあ、好みだったらね」
間宮ちゃんがそう言ったところで、教室に一人の男性が入る。
黒髪だが、光の射し方によっては、茶髪にも見える。くせっ毛らしく、全体的にウェーブがかかっている。優しげな顔とは対照的に、高身長で、筋肉質だ。腕まくりをしているので、腕の筋肉がしっかりついていることがよくわかる。
「ほら、席に座れよ?」
低く、安心するような静かな声で、先生は声をかける。
間宮ちゃんは頬を染め、少しの間動きを止める。しかし、すぐに席に着いた。
どうやら、間宮ちゃんの好みらしいね。間宮ちゃんの言った通り、かなりのイケメンでした。
授業開始のチャイムが鳴り、先生は話をする。
その先生の様子を、間宮ちゃんはうっとりと眺めているのだ。
あー、これは放課後、間宮ちゃんのイケメン語りが始まりそうだ。