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レベリングオート ~かつて最強だったプレイヤーが、Lv1からやり直すそうです~  作者: 行川 紅姫
序章:トップランカーやめました
5/50

俺はとりあえずこの光景に飽きたんですよ

遅くなりました

――。

――――。

「俺は……一体何を……?」


ふと気が付くとラルフの視線に写ったのは試合が終わった後のコロシアムだった。空気中には黄色い粉塵が漂っており、地面には『死亡オブジェクト』として現れる核石人種(プレイヤー)一人一人に含まれている特有の石――『核石(セミ=クリスタル)』が五つ転がっていた。


 妙なことに体が重かった。ラルフは少しよろめきながらも持っていた刀を杖代わりとして地に刺す。


 このゲームのシステム上、周りの観客席はこの試合での何かしらの影響はなかった。逆に観客からの大きな歓声がさらに、重なるようにして会場内を響き渡らせていた。


 同時に俺は心中何が起こったのかを察し、小声で呟く。

(ったく……またアイツ(、、、)かよ毎回毎回凝りねぇなあ)


 数秒後突然、会場内のスピーカーから女性の実況者の声が聞こえた。

『や、やはり今年もあの男が強かった。今回の試合の決勝勝者は――ルゥゥゥゥイィィィス!! 今年もまた勝利を掴み、このゲームの歴史に名を残しましたぁぁぁぁ!!』


 実況者がそう興奮するように叫んだ後、同時に大きなファンファーレが鳴った。

『Congratulations!!』という文字が宙に浮かび上がり同時に大量の紙吹雪が盛大に舞い上がる。


「……これを見たのは4回目、流石にこれ飽きるわ……」


 彼自身この光景には飽きていた。

「あ~ぁ、最強とかもう聞き飽きたわ……正直Lv1からもう一度やり直したいわ割とマジで……」

 なので――

 一度ため息を吐いた。


 体が楽になったのか、もしくはこの光景に飽きたのか、ましては両方なのか、ルイスゆっくりとその場に立ち上がるとポケットからある物を取り出した。


 取り出した物の正体は一枚の札だった。

 正確には転移札(トランスファービル)、一定の座標をその札に書き示すとその場所に一瞬にして移動する消費アイテムだ。


『っ、ちょっと待ってください!? まだ優勝インタビューがあるんですよ!? 退場してしまったら困りま――』


 実をいえば、あの女性実況者が言った通り、その後に優勝インタビューもあるのだが彼自身どうでもよくなったのか躊躇(ためら)うことなくそのアイテムを起動させる。


 直後その札を中心として頭上に人一人すっぽり入る程の大きさの魔方陣が展開され、閃光弾の如く札から(まばゆ)い光が発生する。

『ちょ、ちょっとまってえええぇぇぇ――っ!!』

 実況者がマイク越しで止めに入るも、もう遅かった。


 やがてその光はラルフを完全に包み込み――

 シュン! と、

 光の粒子と共にその場から一瞬にして消え去った。



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