双子のハナシ
僕と兄さんは双子だ。
僕は兄さんが生まれた後に生み出された。
全く同じ顔、同じ声、同じ身長、同じ思考。
誰も僕たちのどちらが兄で、どちらが僕かわからない。
父さんと母さんですら、わからない。
僕たちが双子だとわからない人すらいる。
僕たちは片時も離れたことはない。
何をするのもいつも一緒。
兄さんに一番近い存在。
それが僕。
兄さんには、好きな女の子がいた。
でも、僕もその子のことが好きだった。
彼女と話すとき、半分は兄さん、もう半分は僕が話す。
でも、彼女は僕のことは見ていない。
会話も僕の時だけ適当に返す。
彼女だけは、僕と兄さんを見分けることができた。
兄さんと話すときは、あんなに楽しそうに話すのに・・・。
何が違う?
何が足りない?
僕はなぜ彼女に振り向いてもらえない?
僕は初めて、兄さんを殺したいと思った。
例え、僕の存在が同時に無くなったとしても。
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こんばんは、コウです!
久しぶりの更新です!
因みに、二重人格者の話です。