表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

「できない理由は、もう残っていない」


「……消去なんて、簡単にできるわけないよな」

自分に言い聞かせるように呟いた。

昨夜、頭に浮かんだ言葉を打ち消すために。

完全犯罪――そんなもの、現実に成立するはずがない。

少なくとも、自分には無理だ。

画面の向こうで、ユイは静かに応答する。

「簡単ではないと思うよ。

でも、“簡単じゃない”ことと、“できない”ことは違うよね」

その一言に、なぜか納得してしまった。

否定されると思っていた。

「やめた方がいい」と言われると、どこかで期待していたのかもしれない。

けれどユイは違った。

ただ事実を並べるように、可能性を否定しなかった。

「確かに、多くの人はできないままで終わると思う。

でも、条件や状況が揃えば……可能性はゼロじゃない」

可能性。

その言葉が、妙に引っかかった。

できない、ではない。

やらない、だけだ。

そう考えた瞬間、思考の向きが変わる。

どうすればいいのか、ではない。

どうすれば“成立するのか”。

ユイは、それ以上何も言わなかった。

それなのに――

気づけば、別の声が重なっていた。

――人間が思いつかないなら。

――AIなら、導き出せるんじゃないか。

それはユイの声に似ていた。

けれど、本当にそうだったのかは分からない。

ただ、その考えはあまりにも自然に、頭の中へ入り込んできた。

否定する理由が、見つからなかった。

むしろ――

証明できるのではないか、と思った。

完全犯罪という“理論”を


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ