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第56話 セガル王国へ突撃

いつも読んでくださりありがとうございます!


今回は、ヒロシ達が朝から元気いっぱいに動き出します。

ちょっとだけドタバタ、ちょっとだけワイルド。

勢い重視の回なので、肩の力を抜いて楽しんでください。


それでは本編どうぞ!

 朝、俺達はシャワーを浴びて歯を磨き、キャスカとフィリーがクリーンの魔法をかけてくれてパリッとした制服に身を包んだ。


 準備万端のみんなは…… どう見てもヤル気満々だな。


「みんな、いくぞ!」


 俺の号令で全員が軽キャンに乗り込む。


 運転席に俺。

 助手席にミロース。

 後部にレイラとプロム。


「ルファス、キャスカ、聞こえてる?」


『ノガミさん、こちら2号車、ちゃんと聞こえてます』

『お兄様と仲良く乗っていますわ』


「二人とも、ちゃんと掴まってるんだぞ」

 

 キャンピングトレーラー2にはルファスとキャスカ。


「ウィズ、3号車に全員乗ったか?」


『おう、3号車にパーティーメンバー全員乗っている。

 いつでも出発してくれて大丈夫だぞ』


 キャンピングトレーラー3にはウィズ、カイ、バン、フィリー。


「全員乗り込んだな。

 魔導通信は繋いだままにして、何かあったら連絡してくれ。

 そしたら、2号車も3号車も飛ばすから掴まってろよ!」


 全員の乗車を確認した俺は、セガル王国にナビをセットした。


 昨日来た道を引き返し、王国へ向けて出発する。


「飛ばしていくから、気をつけてろよ!」


 キャンピングトレーラー3台を連結した軽キャンが森を爆走する!


 野を駆ける!


 前方に馬車発見。

 コーディネーターと冒険者達だ。


「みんな、停まるから掴まってろ」


 俺はブレーキを踏み、馬車の前に軽キャンを停車させ道をふさぐ。


 軽キャンを降りた俺とミロースは戸惑っている馬車の連中を無視してコーディネーターの服を掴んで引きずり降ろした。


「なんなんですか? あなた達」


 コーディネーターが喚きだした。


「あー、はいはい。そんなんいいから」


 俺は胸ぐらを掴んでぶん殴り、さらに蹴り飛ばす。


「お前、何を―― え?」


 俺を非難しようと降りてきた冒険者が固まっている。

 そりゃそうだ。

 吹っ飛んだコーディネーターが起き上がりながら化け物に変身し始めてるのを見ればそうなるだろう。


「はい、危ないから馬車に戻ったほうがいいぞ」

「コーディネーターが化け物に、どういうことだ?!」


 忠告してやってるんだから、避難すればいいのに、しょうがない奴だ。


「人間風情が、俺に……舐めた真似を! ギャッ」


 変身したコーディネーターが何か言いかけたが、ミロースがドラゴンになって踏み潰した。


「はい、討伐完了! ミロース、人間の姿になって軽キャンに乗れ。サクサクっと次行くぞ!」


 俺達はすぐに出発し、セガル王国へ向かって走り出す。


 残された冒険者達は、踏み潰された化け物を見て呆然としていた。


 道中、俺達は爆走しながらコーディネーターを狩っていく。


 慈悲深いと巷で評判の俺は、何人かは殺さず動けない程度にして生かしてやった。


 生かした奴らは捕虜としてキャンピングトレーラーに括り付けておく。


 中には入れない。

 汚されたくないからね。


 そんじゃ、どんどん行くよー!


 壁に囲まれたセガル王国の王都が見えてきた。


 相変わらず入城待ちの長い列。

 全く合理的じゃない……まぁ、暫くの辛抱だ。


 どうする?


 当然、並ぶなどしない。

 そもそも門まで行くなんて回り道はしない。


「みんな、掴まれ! 殴り込み、行くぞ!」


 軽キャンが速度を上げる!


ドッガガガーーンッ!!


 壁を突き破り、そのまま王都に侵入!


「ウヒョーー!! ワイルド」


 トレーラーに括りつけた化け物共が壁にぶつかり、潰れたり千切れたりしたが……車外の事なので、俺達は知る由もないし、気にしない。


 大通りを抜け、カーブをドリフト!

 その先に冒険者ギルドが見える!


 軽キャンがさらに加速!


 列を作っていた冒険者達が、突っ込んでくる軽キャンを避けて慌てて道を空ける。


ドガガーーン!


 冒険者ギルドの壁を突き破り、軽キャンが床にタイヤ痕を残しながら停車すると、ギルド内は悲鳴と怒号で一瞬にして地獄絵図になった。


「到着! 降車!」


 俺達は騒然とするギルドに降り立つ。


「すぐにドラゴン討伐をやめろ! 罠だ! この捕虜を見ろ! これがコーディネーターの正体……って、グチョグチョになってて汚い!」


 俺は吐き気をこらえながら叫んだ。


 冒険者達が屋内から外へ出ていく。


 残ったギルド職員達が俺達を取り囲んできた。

 職員達の目が一斉に赤く光る。


 空気が一瞬だけ重くなった。


 あ、これ完全にアウトなやつだ。


「やっぱ、グルだよね~」


 冒険者は粗方逃げてくれたから良しとしよう。


「余計な事してんじゃねぇよ!」


 職員の一人が言うと、次々と化け物に変化していく。


 化け物になってくれたおかげで気をつかわずに殺れるってなもんだ!


「よっしゃ! 討伐開始! あと、捕虜の補充ね!」


 俺の号令で戦闘が始まった!


 ルファスのロングソードが化け物を斬り裂く!


 レイラとカイがトレーラーの上から矢の雨を降らせ、敵の数を減らす!


 ウィズは……


「なんだお前、強いんじゃん」


 あのウィズが次々と敵を斬っている!

 てっきり賑やかしの面白キャラなのかとおもっていたのに。

 普通に強い。


「みんな頑張れー!」


 賢い俺は、バンの後ろで待機します!

 無茶してみんなの足を引っ張ったら悪いからな。


 さぁ、バン! 俺をしっかり守れ!


「って、バン、あんまり移動するんじゃない!

 そうだ、忘れないうちに。

 キャスカ―、フィリー、ちょっとこっちきてー」


 キャスカとフィリーには、汚れたトレーラーにクリーンをかけるよう指示した。


「ちゃんと手を抜かず、仕事は丁寧に!」


「うるさいわね、やってるでしょ」


「キャスカ、お前な、文句言う前に手を動かしなさいよ。

 みんな一生懸命戦ってるんだから、お前も一生懸命頑張れ」


「戦ってる最中にこんな事してていいんでしょうか?」


「やれやれ、フィリーお前もか?

 あのな、仕事に貴賤は無いし、どの仕事も尊いんだぞ」


 大人の男として、ビシッと言った。

 それが、大人として人としての責任だと俺は思う。


「ほら、ピカピカになったじゃん」


 さて、こんな事してる場合じゃないなと戦闘に目を戻す。


 残りは……あと2匹か。


「はい、その二人は殺さないようにね! 無益な殺生はいけないよ。その二人は大事な捕虜として大事に扱えよ」


 慈悲深い俺は、抵抗できないようにボコボコにしたが、2匹を助けて捕虜にしてあげた。


「これでよし!」


 一匹はトレーラーに括りつけ、もう一匹は軽キャン前のフロント部分に大の字で縛り付けた。


 前が……


「運転しにくいな! おいっ!」


 フロントガラスが捕虜で見にくかった。


 そこは我慢して、


「みんな、乗ったね! そんじゃ、出発進行!」


 軽キャンがトレーラーを引き、王城へ向けて走り出した!


 王城の影が、ゆっくりと俺達の前に迫ってくる。

読んでくださりありがとうございました!


今回は、旅の途中の“ちょっと激しめ”な回でした。

ヒロシ達が動くと、どうしてこうなるのか……作者にも分かりません。


次回は、さらに物語が進んでいきます。

引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。


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